県央4市町村へ水道用水を送る県営浄水場
県央第一水道事務所は、群馬県北群馬郡榛東村大字広馬場にある群馬県企業局の浄水場です。利根川の表流水を群馬用水榛名幹線から取り入れ、浄水処理した水道用水を前橋市、高崎市、榛東村、吉岡町へ供給しています。施設能力は1日160,000m³です。[1][2][5]
県営水道は、家庭へ直接水道料金を請求して給水する市町村水道とは役割が異なります。群馬県は水道用水供給事業を「水の問屋」と説明しており、県の浄水場でつくった水を受水市町村へ供給し、その先を各市町村の水道事業者が担います。[4]
地下水依存から表流水へ転換する広域水道として計画
群馬県は1978年3月に群馬県水道整備基本構想と県央地区広域的水道整備計画を策定し、同年6月に県央第一水道事業の経営認可を受けました。供給開始は1983年4月です。[3]
県央第一水道の施設紹介では、限られた地下水資源を保全するため、水道水源を地下水から河川表流水へ転換することが事業の背景だったと説明しています。個々の市町村が新水源と大規模浄水施設を別々に整備するのではなく、県が一括浄水して需要の多い県央地域へ送水する仕組みです。[1]
利根川から群馬用水榛名幹線を経て取水
2026年度水質検査計画は、県央第一水道事務所の水源を「利根川表流水(群馬用水榛名幹線から取水)」と明記しています。[5]
施設紹介では、榛東村にある群馬用水榛名幹線の取水口から原水を取り入れ、まず原水調整池へ送る流れが示されています。原水調整池では砂や泥を沈め、その後の浄水工程へ送ります。[1]
「利根川が水源」と「群馬用水榛名幹線から取水」は矛盾する説明ではありません。水源河川は利根川で、浄水場への取水経路として群馬用水榛名幹線を利用します。[1][5]
原水調整池から急速ろ過まで7段階で処理
県の施設紹介は、県央第一水道の処理を7段階で説明しています。取水口、原水調整池、着水井、混和池・薬品沈澱池、砂ろ過池、浄水池・送水ポンプ棟、市町村の受水施設という流れです。[1]
フロック形成池は上下迂流式、沈澱池は傾斜板付き横流式です。ろ過池は砂ろ過単層の自己水逆洗浄重力式で、処理方式は急速ろ過です。[1]
塩素処理は前・中・後の各段階で行うと県が公表しています。原水中の濁りを凝集・沈澱・ろ過で除去し、消毒した水を浄水池に貯め、必要に応じて送水ポンプで受水施設へ送ります。[1]
施設能力は日量16万m³
県央第一水道の施設能力は160,000m³/日です。この数値は浄水施設として処理・供給できる計画能力であり、毎日必ず16万m³を送っているという意味ではありません。[1]
供給区域は前橋市、高崎市、榛東村、吉岡町の2市1町1村です。浄水場より高い位置にある市町村へは送水ポンプを使用すると施設紹介が説明しています。[1]
2023年4月には、県央第二水道を県央第一水道に統合し、事業名称を「群馬県水道用水供給事業」へ変更しました。ただし、県央第一水道事務所と県央第二水道事務所の2浄水場は現在もそれぞれの施設として運用されています。[3][4][5]
水源は季節・降雨・上流ダムの影響を受ける
2026年度水質検査計画は、県央第一の原水で注意する要素として、降雨時の高濁水、冬季の低水温・低濁度、雪解け時期の低アルカリ度、上流ダム放流等による水質変化、藻類の光合成によるpH上昇、夏季の微細藻類増加を挙げています。[5]
県はこれらに応じて、濁度、pH、アルカリ度、臭気、有機物、消毒副生成物、クリプトスポリジウム・ジアルジアなどを水質管理上注意すべき項目として監視しています。[5]
水質異常が生じた場合は、臨時検査を実施し、安全性が確認されるまで検査を継続する方針です。[5]
2026年度上半期の通常検査では低い濁度を維持
2026年9月3日更新の令和8年度上半期水質検査結果では、県央第一の送水について、4~7月の一般細菌は0CFU/mL、大腸菌は不検出、濁度は0.1度未満でした。pHは7.0~7.2、有機物(TOC)は0.3~0.7mg/Lです。[6]
PFOS・PFOAは5月に0.000005mg/L未満、総トリハロメタンは6月0.013mg/L、7月0.018mg/Lで、掲載された各月の基準値以内でした。[6]
同じページの原水では一般細菌や大腸菌が検出され、濁度も送水より高い月があります。これは処理前の河川水を浄水管理の指標として測っている値で、蛇口へ送る水の値ではありません。[6]
2026年9月10日にジェオスミンが一時的に基準超過
2026年9月30日更新の県発表では、県央第一水道の送水で9月10日にジェオスミン12ng/Lを検出し、水質基準10ng/L以下を一時的に超えました。8月25日に最初に公表された12ng/Lは県央第二水道の値で、同日の県央第一は4ng/Lでした。[7]
県央第一は9月11日に8ng/L、12日に3ng/Lとなり、その後さらに低下し、9月29日は1ng/Lでした。県は臭気軽減のため8月19日から粉末活性炭を注入し、検査を継続しました。[7]
群馬県は、ジェオスミンは臭気物質として基準項目になっているものの毒性はなく、飲用による健康影響はないとして送水を継続したと説明しています。本記事では「基準超過がなかった」とはせず、通常検査結果とこの後発の最新情報を両方掲載します。[6][7]
水質管理センターが検査の信頼性を支える
県営2浄水場の高度な水質検査は、主に水質管理センターが担います。センターは水道水検査、水源河川の環境調査、水質事故時の応援を行う県営水道の水質管理中核機関です。[4][5]
水質管理センターは2012年1月31日に水道GLPの初回認定を受け、2024年7月31日に認定を更新しました。認定番号はJWWA-GLP076、認定範囲は水道水質基準50項目の水道水・浄水です。[9]
2026年度計画も、水道GLPに基づいて検査精度と信頼性を確保するとしています。[5][9]
放射性物質も定期的に確認
群馬県は県営浄水場の原水・送水について放射性物質検査を継続しています。2026年8月18日に県央第一水道事務所で採水した浄水では、放射性ヨウ素131、セシウム134、セシウム137はいずれも不検出でした。[8]
検出限界値は1Bq/kg以下を確保し、放射性セシウム134・137の合計に対する水道水の管理目標値は10Bq/kgです。[8]
これは浄水の検査結果です。浄水処理で取り除いた砂・泥を脱水した「浄水発生土」については別に測定されており、飲料水の検査値と混同しません。[13]
浄水発生土も別系統で測定・管理
群馬県は、浄水処理で水から取り除いた砂などを脱水したものを「浄水発生土」として放射性物質検査しています。県央第一では2026年8月25日採取分のセシウム137が47Bq/kgと27Bq/kgなど、浄水とは異なる値が公表されています。[13]
これは飲料水そのものの放射能濃度ではありません。本記事では、浄水の「不検出」と発生土の測定値を同じ対象の数値として扱いません。[8][13]
県営水道全体で耐震化と危機管理を継続
県営水道全体では、2023年度末時点で導水管の耐震管率・耐震適合率がともに100%、送水管は耐震管率27%・耐震適合率100%です。浄水施設の耐震化率は50%、調整池は91%とされています。[10]
2025年1月には群馬県水道用水供給事業の上下水道耐震化計画を策定し、被災時に代替性を確保しにくい浄水施設を最優先に耐震化する方針を示しています。これらは県営水道全体の指標であり、県央第一単独の耐震化率とはしていません。[10]
危機管理では、企業局BCP、災害・事故対応マニュアル、各浄水場の水安全計画・災害事故対応マニュアルを整備し、訓練と改善を続けています。[11]
現在も団体向け施設見学の対象
群馬県企業局の2026年3月更新の施設見学案内では、県央第一水道は水道事業の見学対象施設です。対象は原則として団体で、業務都合で対応できない場合もあるため、見学申込書を郵送・Fax・電子メールで事前提出する必要があります。[12]
申込受付は平日9:00~17:00で、窓口は県央第一水道事務所です。電話0279-54-8464、Fax0279-54-2983が案内されています。[2][12]
「見学可」は自由入場を意味しません。常時開放施設ではなく、事前申込制の団体見学として扱います。[12]
Deep research
群馬県企業局の施設紹介、現行組織、事業沿革、2026年度水質検査計画・検査結果、9月30日更新のジェオスミン情報、耐震・危機管理・見学案内を照合しました。通常時の定期検査と2026年9月の一時的な臭気物質超過、県営水道全体の耐震指標と県央第一単独の施設情報、浄水と浄水発生土を区別しています。角括弧は記事末尾の出典番号です。
最終確認:2026-10-02
施設データを詳しく見る
- 施設能力
- 160,000m³/日
県央第一水道の計画上の最大供給能力。[1]
- 水源
- 利根川表流水
群馬用水榛名幹線から取水します。[1][5]
- 供給区域
- 前橋市・高崎市・榛東村・吉岡町
2市1町1村。各家庭への直接給水ではありません。[1][4]
- 供給開始
- 1983年4月
昭和58年4月。[1][3]
- 浄水方式
- 急速ろ過
傾斜板付き横流式沈澱・単層砂ろ過。[1]
- 所在地
- 榛東村大字広馬場411-1
現行の県央第一水道事務所所在地。[2]
利根川から市町村の受水施設までの水の流れ
群馬県の施設紹介が示す県央第一水道の7段階の浄水・送水工程です。[1]
- 1
群馬用水榛名幹線から取水
利根川表流水を榛東村の取水口から取り入れます。[1][5]
- 2
原水調整池で砂や泥を沈める
原水を一時的に貯め、大きな砂や泥を取り除きます。[1]
- 3
着水井で消毒を開始
消毒剤を加え、後段の処理へ送ります。[1]
- 4
混和池・薬品沈澱池で濁りを集める
凝集剤で微細な濁りをまとめ、傾斜板付き横流式沈澱池で沈めます。[1]
- 5
単層砂ろ過池で急速ろ過
沈殿しきれなかった濁りを細かい砂層で除去します。[1]
- 6
浄水池に貯め、送水ポンプで送り出す
完成した水道水を貯留し、高い位置の市町村へはポンプで送水します。[1]
- 7
市町村の受水施設を経て各家庭へ
県営水道は市町村水道へ水道用水を供給し、その先の配水を各水道事業者が担います。[1][4]
県央第一水道の計画・供給・水質管理の年表
県央地区広域的水道整備計画を策定
群馬県水道整備基本構想とともに策定され、県央第一水道について基本協定を締結しました。[3]
県央第一水道事業の経営認可
県営広域水道として整備が進められました。[3]
県央第一水道が供給開始
前橋市・高崎市・榛東村・吉岡町へつながる県営水道の基幹施設として運用されています。[1][3]
水質検査センターを設置
県営水道の高度な水質検査を集中して行う体制が整備されました。[3]
水道GLPを初回認定
現在の水質管理センターが検査精度・信頼性保証の認定を取得しました。[9]
県央第一・第二を一つの水道用水供給事業へ統合
事業名称を群馬県水道用水供給事業へ変更し、水質検査センターは水質管理センターへ名称変更しました。[3]
水道GLP認定を更新
認定番号JWWA-GLP076、認定範囲は水道水質基準50項目です。[9]
上下水道耐震化計画を策定
県営水道全体で代替性を確保しにくい浄水施設を最優先に耐震化する方針です。[10]
最新の浄水放射性物質検査で不検出
ヨウ素131・セシウム134・137はいずれも不検出でした。[8]
県央第一でジェオスミン12ng/Lを検出
基準10ng/L以下を一時的に超過。翌11日は8ng/Lとなり、その後低下しました。[7]
ジェオスミン1ng/Lを確認
県の9月30日更新ページで最新値として掲載されています。[7]
見学・アクセス情報
2026年10月2日調査。県央第一水道は群馬県企業局の施設見学対象ですが、原則団体・事前申込制です。所在地が公開されていても自由入場できる施設ではありません。[2][12]
- 見学対象
- 原則として団体
企業局の現行施設見学案内。[12]
- 申込
- 事前申込必須
見学申込書を郵送・Fax・電子メールで提出します。[12]
- 申込受付
- 平日9:00~17:00
土日祝日・年末年始は受付休止。[12]
- 窓口
- 県央第一水道事務所
業務都合等で対応できない場合があります。[12]
- 電話
- 0279-54-8464
現行事務所連絡先。[2][12]
- Fax
- 0279-54-2983
現行事務所連絡先。[2][12]
- 所在地
- 榛東村大字広馬場411-1
施設所在地の公開は自由入場を意味しません。[1][2]
見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。
2026年度の送水水質と9月のジェオスミン対応
2026年4月~9月
9月3日公表の上半期定期検査と、9月30日更新のジェオスミン臨時・追加検査を分けて示します。後から公表されたジェオスミン情報を優先し、「2026年度に基準超過なし」とはしていません。[6][7]
- 一般細菌(4~7月)
- 0 CFU/mL
送水。基準100 CFU/mL以下。[6]
- 大腸菌(4~7月)
- 不検出
送水。基準は検出しないこと。[6]
- 濁度(4~7月)
- 0.1度未満
送水。基準2度以下。[6]
- pH(4~7月)
- 7.0~7.2
送水。基準5.8以上8.6以下。[6]
- PFOS・PFOA(5月)
- 0.000005mg/L未満
送水。[6]
- 総トリハロメタン
- 6月0.013/7月0.018mg/L
送水。基準0.1mg/L以下。[6]
- ジェオスミン(9月10日)
- 12ng/L
基準10ng/L以下を一時超過。[7]
- ジェオスミン(9月29日)
- 1ng/L
県が公表した最新表の県央第一値。[7]
群馬県はジェオスミンについて毒性はなく飲用による健康影響はないと説明し、送水を継続しました。[7]
利根川表流水で注意する水質変動
2026年度計画は、県央第一の原水について降雨時の高濁水、冬季の低水温・低濁度、雪解け時の低アルカリ度、上流ダム放流による変化、藻類によるpH上昇、夏季の微細藻類増加を挙げています。[5]
これらは原水の管理上の課題であり、送水が常に基準外という意味ではありません。
2023年の事業統合後も二つの浄水場を運用
2023年4月に県央第二水道を県央第一水道へ統合し、事業名称を群馬県水道用水供給事業へ変更しました。現在も県央第一・県央第二の2浄水場から各給水市町村へ供給しています。[3][4][5]
行政上の事業統合と、県央第一水道事務所という施設・組織の存続を区別しています。[2]
水質GLPと放射性物質検査
水質管理センターは水道GLP認定を更新し、県営水道の水質検査の精度・信頼性を管理しています。放射性物質も定期検査対象です。[5][8][9]
- GLP認定番号
- JWWA-GLP076
2024年7月31日更新。[9]
- GLP認定範囲
- 水道水質基準50項目
水道水・浄水。[9]
- 2026年8月18日 放射性ヨウ素131
- 不検出
県央第一の浄水。[8]
- 同 セシウム134・137
- ともに不検出
検出限界値1Bq/kg以下を確保。[8]
浄水発生土は飲料水とは別に管理
浄水処理で取り除いた砂などを脱水した浄水発生土について、群馬県は別途放射性物質を測定しています。[13]
- 2026年8月25日 セシウム137
- 47Bq/kg・27Bq/kg
県央第一の浄水発生土の別試料。飲料水の値ではありません。[13]
- 同 ヨウ素131・セシウム134
- 不検出
浄水発生土の検査結果です。[13]
浄水の放射性物質検査では同年8月18日にヨウ素131・セシウム134・137が全て不検出でした。[8]
県営水道全体で進める耐震化と危機管理
県営水道は老朽施設の更新に合わせて耐震化を進め、BCP、水安全計画、災害・事故対応マニュアル、相互応援協定を整備しています。[10][11]
- 導水管 耐震管率/耐震適合率
- 100%/100%
2023年度末、県営水道全体。[10]
- 送水管 耐震管率/耐震適合率
- 27%/100%
2023年度末、県営水道全体。[10]
- 浄水施設 耐震化率
- 50%
2023年度末、工事実施中。県央第一単独の率ではありません。[10]
- 調整池 耐震化率
- 91%
2023年度末、県営水道全体・ポンプ所除く。[10]
よくある質問
県央第一水道事務所は何をする施設ですか?
利根川表流水を群馬用水榛名幹線から取り入れて浄水し、前橋市・高崎市・榛東村・吉岡町の水道事業者へ水道用水を供給する群馬県営の浄水場です。[1][4][5]
家庭へ直接水道水を配っているのですか?
直接ではありません。群馬県は水道用水供給事業を「水の問屋」と説明しており、市町村の受水施設まで送り、その先の配水は各市町村水道が担います。[1][4]
どのような浄水方式ですか?
傾斜板付き横流式沈澱池と単層砂ろ過による急速ろ過を採用し、前・中・後塩素処理を行います。[1]
1日にどのくらい処理できますか?
施設能力は160,000m³/日です。これは計画能力で、毎日の実送水量そのものではありません。[1]
2026年に水質基準超過はありましたか?
はい。県央第一の送水で2026年9月10日にジェオスミン12ng/Lとなり、基準10ng/L以下を一時的に超えました。翌11日は8ng/L、その後低下し、9月29日は1ng/Lでした。[7]
ジェオスミン超過は健康に影響しますか?
群馬県は、ジェオスミンは臭気物質ですが毒性はなく、そのまま飲用しても健康への影響はないとして送水を継続したと説明しています。[7]
県央第一水道事務所は見学できますか?
群馬県企業局の見学対象です。ただし原則団体で、見学申込書の事前提出が必要です。自由入場施設ではありません。[12]
2023年の事業統合で県央第一水道事務所はなくなったのですか?
いいえ。県央第一・第二の事業は群馬県水道用水供給事業へ統合されましたが、現在も県央第一水道事務所と県央第二水道事務所の2浄水場が稼働しています。[2][3][4][5]