1929年に始まった前橋市の近代水道
敷島浄水場は1927年に着工し、1929年3月21日に竣工・給水を開始した前橋市創設水道の中心施設である。市街地に近い敷島町で地下水を確保し、浄水・貯留・配水を一体化したことで、井戸に依存していた都市生活を近代的な水道へ転換した。
地下水と緩速ろ過を組み合わせる
場内と周辺の複数井戸・集水埋管から地下水を集め、必要な水を着水井へ送り、緩速ろ過池を通して処理する。事業年報では緩速ろ過池を3池(うち予備1池)、計画浄水量を1池当たり日量8,300立方メートルとし、次亜塩素酸ナトリウムで消毒して配水する。
約2.8万立方メートル/日の取水能力
事業年報が示す敷島浄水場の取水能力は年度資料により約2.8万立方メートル/日である。井戸は浅い集水系から100メートル級の深井戸まで複数あり、単一水源に依存しない構成を取る。配水池とポンプ設備を組み合わせて、市内の水需要変動へ対応する。
旧配水塔と旧管理事務所を保存
創設時の旧配水塔と旧管理事務所は1996年12月20日に国登録有形文化財となった。旧管理事務所は野田俊彦の設計で、石張り・タイルと物見塔を備える。旧配水塔とともに近代水道百選にも選ばれ、前橋水道の技術史と都市景観を伝える構造物として残されている。
2021年に新しい配水塔へ世代交代
前橋市は2021年2月に新しい配水塔を整備し、給水開始から長く使われた旧配水塔の実務上の役割を引き継いだ。歴史的施設を保存しながら、耐震性や安定供給を担う設備を更新することで、同じ敷地に水道の複数世代が共存している。
2026年度も水質検査を継続
前橋市は浄水場・受水場の月別水質検査を行い、2026年度の公表分ではすべての検査地点が水質基準に適合している。市内40地点では色・濁りと残留塩素を毎日確認し、残留塩素濃度0.1mg/L以上を維持する。
団体見学で浄水場と配水塔を学ぶ
敷島浄水場では、学習・研修目的のおおむね10人以上の団体を対象に見学を受け入れている。午前・午後各1団体で、希望日の2週間前までに電話連絡し、日程決定後に依頼書を提出する。コースでは新配水塔の中間歩廊まで登る場合があるが、天候等により変更される。
Deep research
前橋市の事業年報、文化財資料、施設見学案内、水質検査結果を照合し、1929年の創設水道、地下水・緩速ろ過、旧配水塔と旧管理事務所の保存、新配水塔への更新、現在の団体見学まで整理しました。文化財指定は浄水場全体ではなく旧管理事務所と旧配水塔を対象として記述しています。
最終確認:2026年9月4日
施設データを詳しく見る
- 給水開始
- 1929年3月21日
- 取水能力
- 約28,000立方メートル/日
- 緩速ろ過池
- 3池
- 計画浄水量
- 8,300立方メートル/日×3池
- 新配水塔有効容量
- 1,015立方メートル
- 見学対象
- おおむね10人以上の団体
うち予備1池
地下水源から配水塔・市街地までの水の流れ
- 1
地下水を複数井戸から取水
敷島地区の浅井戸・深井戸と集水埋管から地下水を集めます。
- 2
導水管で着水井へ
複数の地下水源を導水管で浄水場へ集め、処理系統へ送ります。
- 3
緩速ろ過池をゆっくり通す
砂層をゆっくり通す緩速ろ過で水を処理します。事業年報では3池、各日量8,300立方メートルの計画です。
- 4
次亜塩素酸ナトリウムで消毒
ろ過後の水を消毒し、安全な水道水として配水施設へ送ります。
- 5
配水池・新配水塔で水量を調整
複数配水池と新配水塔に貯留し、需要や水圧の変化を調整します。
- 6
市街地へ配水
ポンプと配水管を通じて前橋市内へ水道水を届けます。
敷島浄水場の年表
創設水道工事に着手
敷島浄水場の配水塔など主要施設の建設が始まりました。
竣工・給水開始
前橋市の近代水道が敷島浄水場から本格的に始まりました。
近代水道百選に選定
歴史的価値を持つ水道施設として評価されました。
旧管理事務所を水道資料館へ活用
給水開始60周年を機に水道学習の場として整備されました。
旧施設が国登録有形文化財に
旧管理事務所と旧配水塔が登録されました。
土木学会選奨土木遺産
創設水道施設の歴史的・技術的価値が改めて評価されました。
新配水塔を整備
現代の安定供給を担う新しい配水塔へ実務機能を引き継ぎました。
団体見学制度を案内
学習・研修目的の団体を対象とする見学要領が更新されました。
小学校見学を継続
市内小学校向けの見学受付と水質検査を継続しています。
見学・アクセス情報
敷島浄水場は現役施設ですが、学習・研修を目的とする団体には事前申込制で見学を受け入れています。
- 対象
- おおむね10人以上の団体
- 受入
- 午前・午後各1団体
- 申込期限
- 希望日の2週間前まで
- 仮予約
- 浄水課 027-231-3075
- 本申込
- 依頼書を郵送・FAX・メール
- 配水塔
- 中間歩廊まで見学する場合あり
天候等で変更あり
見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。
令和8年度の水質管理
2026年度公表結果
敷島を含む前橋市の浄水施設と市内給水栓について、月別・毎日の水質管理が行われています。
- 浄水施設検査
- 月別に公表
- 基準適合
- 公表済み全検査地点で適合
- 毎日検査地点
- 市内40か所
- 色・濁り
- 異常なしを確認
- 残留塩素
- 0.1mg/L以上を確認
- 処理方式
- 緩速ろ過+塩素消毒
施設別の詳細値は前橋市の月別PDFで確認できます。
よくある質問
敷島浄水場はいつできましたか?
1927年に着工し、1929年3月21日に竣工・給水開始しました。
水源は何ですか?
敷島地区の複数の地下水井戸と集水埋管です。
どんな浄水方式ですか?
地下水を緩速ろ過し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
文化財なのは浄水場全体ですか?
国登録有形文化財なのは旧管理事務所(現水道資料館)と旧配水塔です。浄水場全体を登録文化財とは表現しません。
新しい配水塔はいつできましたか?
前橋市は2021年2月に新配水塔を整備しました。
見学できますか?
学習・研修目的のおおむね10人以上の団体は、2週間前までの事前申込みで見学できます。
水質は確認されていますか?
はい。2026年度も浄水施設・給水栓の検査を継続し、公表済み地点は基準に適合しています。
現在も使われていますか?
はい。歴史的施設を保存しながら、新配水塔など現代設備で運用を続ける現役浄水場です。
前橋市敷島浄水場を理解するための要点
本ページでは、前橋市敷島浄水場を群馬県・前橋市の浄水場として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。
- 記録上の所在地
- 群馬県前橋市敷島町216番ほか
- 施設種別
- 浄水場
- 年代・供用状況
- 1927年(昭和2年)着工、1929年(昭和4年)3月21日竣工・給水開始
- 構造・浄水方式
- 地下水井戸群・集水埋管・緩速ろ過池・次亜塩素酸ナトリウム消毒・配水池・新旧配水塔
- 公表された浄水能力等
- 取水能力約28,000立方メートル/日、緩速ろ過計画浄水量8,300立方メートル/日×3池
- 文化財等
- 旧管理事務所と旧配水塔が国登録有形文化財、近代水道百選・土木学会選奨土木遺産
施設の機能と地域での役割
浄水施設は、水源から取り入れた原水の濁りや不純物を取り除き、水道水へ処理する工程を担います。施設固有の処理方式・能力・水源は本文の出典に基づいて確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。
見学・現地確認について
掲載上の見学情報は「学習・研修目的のおおむね10人以上の団体を午前・午後各1団体受入。希望日の2週間前までに浄水課へ電話し、日程決定後に依頼書を提出。天候により配水塔へ登れない場合あり」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。
掲載内容はページ末尾の出典・参考資料7件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。
所在地マップ
群馬県前橋市敷島町216番ほか
ピンは公開されている登録住所を基にした位置の目安です。施設の管理区域には立ち入らないでください。
座標確認:OpenStreetMap 施設地図 ↗関連タグ
出典・参考資料
年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。