浄水場現存

東京都水道局 東村山浄水場

多摩川・利根川・荒川の3水系を扱い、自然流下と高度浄水処理を組み合わせる東京の基幹浄水場

1960年に第一期施設が通水した東京都水道局の大規模浄水場。多摩川系385,000立方メートル/日と利根川・荒川系880,000立方メートル/日を合わせ日量126.5万立方メートルを処理し、高低差を生かした自然流下送水と水力発電も行う。

年代・現況1960年第一期施設通水、1965年第二期を含む拡張が進展、2010年3月高度浄水処理開始
所在地東村山市
構造・浄水方式急速ろ過方式・高度浄水処理施設・原水連絡管・自然流下送水・小水力発電設備
見学東京都水道局は安全管理のため浄水場内施設…

1960年に一部通水した第二水道拡張の中核

東村山浄水場は、戦前から計画された第二水道拡張事業の中核として整備された。戦後に工事を本格化し、第一期工事は1960年8月に配水池を除いて完成したため日量15万立方メートルで一部通水を開始し、同年11月に完成した。第二期工事と淀橋浄水場の移転を組み合わせ、東京西部から都心へ大量の水を送る基幹施設へ発展した。

多摩川・利根川・荒川の3水系を利用

現在は多摩川水系の貯水池から自然流下で原水を受けるほか、朝霞浄水場との原水連絡管によって利根川・荒川系の水も利用できる。全体の処理能力は日量1,265,000立方メートルで、利根川・荒川系880,000立方メートルと多摩川系385,000立方メートルから構成される。水源を切り替え・融通できることが大都市水道の安定性を高めている。

利根川・荒川系88万立方メートルを高度浄水処理

多摩川系は急速ろ過方式、利根川・荒川系は急速ろ過に高度浄水処理を組み合わせる。高度浄水施設は2004年度から2009年度に整備され、2010年3月に一部通水を開始した。現在は利根川・荒川系の取水量全量を処理できる日量880,000立方メートル規模で運用されている。

高低差を送水と発電の両方に利用

多摩川系原水は貯水池から浄水場へ自然流下で届く。東村山浄水場自体も比較的高い標高にあるため、浄水後の送水の大半を自然流下で行うことができる。さらに、原水流入時の有効落差約13.5メートルを利用する小水力発電設備が2001年度から稼働し、浄水場で使う電力の一部を賄っている。

原水連絡と管路整備で災害対応力を高める

朝霞浄水場との原水連絡管は、水源状況に応じて利根川・荒川系原水を東村山へ送るための重要設備である。東京都水道局は浄水場だけでなく送配水幹線の耐震化・二重化も進め、多摩地域と23区を結ぶ系統全体のバックアップ能力を強化している。東村山浄水場は水源の多重化と送水系統の結節点という二つの役割を持つ。

令和6年度も209回以上の浄水検査

東京都水道局の令和6年度水質年報では、東村山浄水場の浄水について一般細菌、大腸菌、pH、濁度、消毒副生成物などを高頻度で検査している。代表結果では一般細菌は1個/mL未満、大腸菌は209回すべて不検出、濁度は0.1度未満、硬度は平均50.3mg/L、総トリハロメタンは平均0.0056mg/Lだった。系統ごとの結果を区別して読む必要がある。

一般見学は受け付けていない

東京都水道局は安全管理のため、浄水場などの水道施設内への一般客の立入りを禁止し、浄水場内施設の見学も受け付けていない。一方、2026年度には水道サポーター交流会として浄水場を訪れる限定企画が実施され、参加者には本人確認、手荷物検査、撮影禁止などの条件が課された。常設見学と限定企画を混同しないことが重要である。

Deep research

東京都水道局の浄水施設紹介、東京近代水道125年史、高度浄水処理の評価資料、令和6年度水質年報、環境計画、最新FAQを照合しました。1938年の着工と1960年の第一期通水を区別し、多摩川・利根川・荒川の原水融通、日量126.5万立方メートルの処理、高度浄水処理、自然流下、水力発電、見学条件までを整理しています。

最終確認:2026年9月4日

施設データを詳しく見る

総処理能力
1,265,000立方メートル/日
利根川・荒川系
880,000立方メートル/日

急速ろ過+高度浄水処理

多摩川系
385,000立方メートル/日

急速ろ過方式

第一期一部通水
1960年8月

当初15万立方メートル/日

高度浄水処理開始
2010年3月
小水力発電
有効落差約13.5メートル

2001年度稼働

3水系の原水から東京の配水系統まで

  1. 1

    多摩川系貯水池から自然流下

    多摩川系の原水は貯水池から高低差を利用して東村山浄水場へ流れ込みます。

  2. 2

    朝霞との原水連絡管で利根川・荒川水も受入

    水源状況に応じて朝霞浄水場側から利根川・荒川系原水を送り、3水系を融通できる構成です。

  3. 3

    流入圧力の一部を水力発電に利用

    多摩川系原水の有効落差約13.5メートルを利用し、2001年度から小水力発電を行っています。

  4. 4

    急速ろ過と高度浄水処理

    多摩川系は急速ろ過、利根川・荒川系は急速ろ過に高度浄水処理を組み合わせて処理します。

  5. 5

    消毒・水質確認を経て浄水へ

    処理後の水を消毒し、高頻度の水質検査で安全性を確認して送水工程へ進めます。

  6. 6

    高い標高から大部分を自然流下で送水

    浄水場が比較的高所にあるため、浄水後の送水の大部分でも地形の高低差を活用します。

東村山浄水場の年表

  1. 第二水道拡張事業で建設着手

    小河内貯水池と連動する東京の大規模拡張施設として工事が始まりました。

  2. 戦時下で工事が中断

    資材・労力の制約により第二水道拡張事業の工事が中断しました。

  3. 戦後に工事を再開

    小河内貯水池整備と並行して、東村山浄水場の建設を再び進めました。

  4. 第一期施設で一部通水

    配水池を除く第一期工事が整い、日量15万立方メートルで一部通水を開始しました。

  5. 第一期工事が完成

    第一期33万2,000立方メートル/日規模の施設が完成しました。

  6. 66万5,000立方メートル/日の全部通水

    第二期工事を経て、当時計画された二期分の全量通水が可能になりました。

  7. 淀橋浄水場を閉鎖・機能移転

    新宿の淀橋浄水場が閉鎖され、その機能を東村山浄水場側へ移転しました。

  8. 小水力発電設備が稼働

    貯水池からの自然流下圧力を利用して、浄水場消費電力の一部を賄う発電を始めました。

  9. 高度浄水施設の整備を開始

    利根川・荒川系原水の全量高度処理に向けた建設を進めました。

  10. 高度浄水処理を開始

    日量88万立方メートル規模の高度浄水施設が稼働し、利根川・荒川系の処理能力を強化しました。

  11. 長寿命化・再生可能エネルギーを継続

    大規模施設の予防保全と再生可能エネルギー活用を継続する計画が進んでいます。

見学・アクセス情報

東京都水道局は安全管理上、浄水場内施設の一般見学を受け付けていません。水道サポーターなど特定の募集企画で見学が実施される場合のみ、企画ごとの条件が適用されます。

一般見学
受付していません
自由入場
禁止
限定企画
水道サポーター等で実施例あり
本人確認
限定見学時に顔写真付き身分証を確認
手荷物・撮影
限定見学時に手荷物検査、撮影等禁止
所在地
東村山市美住町二丁目20番地236

見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。

公表された水質データ

令和6年度 東村山浄水場 浄水水質年報

東京都水道局の令和6年度水質年報から、東村山浄水場の代表的な浄水値を整理しました。系統別に表が分かれているため、本欄は公表表の代表値として読みます。

一般細菌
1個/mL未満

209回

大腸菌
209回すべて不検出
硬度
平均50.3mg/L
総トリハロメタン
平均0.0056mg/L
TOC
平均0.4mg/L
pH値
平均7.4
濁度
0.1度未満
味・臭気
異常なし

水質値は原水系統、処理系統、年度によって変わります。最新の水質判断には東京都水道局の現行水質年報・検査結果を優先してください。

よくある質問

東村山浄水場はいつできましたか?

建設着手は1938年ですが、第一期施設が一部通水したのは1960年8月です。着工年と供用開始年を分けて見る必要があります。

処理能力はどのくらいですか?

総処理能力は日量126万5,000立方メートルです。利根川・荒川系88万、多摩川系38万5,000立方メートルで構成されます。

水源は多摩川だけですか?

いいえ。多摩川系に加え、朝霞浄水場との原水連絡管を通じて利根川・荒川系の原水も利用できます。

高度浄水処理をしていますか?

はい。利根川・荒川系の日量88万立方メートルの系統で、2010年3月から高度浄水処理を行っています。

なぜ水力発電ができるのですか?

多摩川系の貯水池から原水が自然流下する際に生じる約13.5メートルの有効落差を利用できるためです。

浄水後の水もポンプで送るのですか?

東村山浄水場は標高が比較的高いため、送水の大部分で自然流下を利用できます。

見学できますか?

一般の浄水場見学は受け付けていません。水道サポーターなど限定募集企画で見学する機会が設けられる場合があります。

現在も使われていますか?

はい。東京の基幹浄水場として3水系の原水を扱い、施設更新・長寿命化を続けながら運用されています。

東京都水道局 東村山浄水場を理解するための要点

本ページでは、東京都水道局 東村山浄水場東京都・東村山市浄水場として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。

記録上の所在地
東京都東村山市美住町二丁目20番地236
施設種別
浄水場
年代・供用状況
1960年第一期施設通水、1965年第二期を含む拡張が進展、2010年3月高度浄水処理開始
構造・浄水方式
急速ろ過方式・高度浄水処理施設・原水連絡管・自然流下送水・小水力発電設備
公表された浄水能力等
1,265,000立方メートル/日(利根川・荒川系880,000、多摩川系385,000)

施設の機能と地域での役割

浄水施設は、水源から取り入れた原水の濁りや不純物を取り除き、水道水へ処理する工程を担います。施設固有の処理方式・能力・水源は本文の出典に基づいて確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。

見学・現地確認について

掲載上の見学情報は「東京都水道局は安全管理のため浄水場内施設の一般見学を受け付けていない。水道サポーター等の限定企画で見学が行われる場合のみ、募集条件・本人確認・手荷物検査等に従う」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。

掲載内容はページ末尾の出典・参考資料7件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。

所在地マップ

東京都東村山市美住町二丁目20番地236

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ピンは公開されている登録住所を基にした位置の目安です。施設の管理区域には立ち入らないでください。

座標確認Yahoo!マップ 施設情報

関連タグ

#現役施設#昭和中期#多摩川水系#利根川水系#荒川水系#高度浄水処理#自然流下#水力発電

年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。

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