給水塔現存

桑名市諸戸水道給水塔

邸内給水と余剰水の公衆開放を担った、諸戸水道の煉瓦造給水塔

桑名市太一丸に残る諸戸水道の給水塔。煉瓦造の八角形基部と円筒形塔体からなり、直径3.4メートル、全高5.0メートル。本体下面には3本の鋳鉄管が残る。桑名市は、邸内への給水と余剰水を公衆へ開放するための貯水槽だったと説明している。給水塔単体の建設年と容量は現行公式資料では確認できない。

年代・現況給水塔単体の建設年は現行公式資料で確認できない。諸戸水道全体は1904年6月完成、1924年に桑名町へ寄附
所在地桑名市
構造・形式煉瓦造。平面八角形の基部と円筒形塔体、直径3.4メートル、全高5.0メートル。頂部は空洞で、当初は鉄製枠に木製板の蓋があり、本体下面には3本の鋳鉄管の一部が残る
見学桑名市は所在地を公開し、2022年には諸…

諸戸氏庭園の西側に残る煉瓦造給水塔

諸戸水道給水塔は、桑名市太一丸687-5に現存する。重要文化財「諸戸家住宅」と名勝「諸戸氏庭園」の西側に位置し、桑名市が「諸戸水道の関連遺産」の一つとして紹介している。現在の公式案内では給水塔単体の建設年は示されていないため、1904年という諸戸水道全体の完成年を給水塔の建設年としては扱わない。

八角形の基部と円筒形塔体

塔は煉瓦造で、平面八角形の基部の上に円筒形の塔体が立つ。直径は3.4メートル、全高は5.0メートル。頂部は空洞で、当初は鉄製の枠に木製の板で蓋がされていた。塔体下面には、本体を貫通していた3本の鋳鉄管の一部が現在も残っている。

邸内給水と余剰水の公衆開放

桑名市はこの施設について、貯水槽として諸戸邸内へ給水するとともに、余った水を公衆へ開放するための給水塔だったと考えられると説明している。給水塔は大規模な市街地配水池とは異なり、諸戸家の邸宅と地域への水供給をつなぐ役割を持った施設として残っている。

1899年に諸戸清六が水源調査を開始

桑名市の令和6年度上下水道事業年報によると、飲料水に恵まれず悪疫にも悩まされていた桑名で、初代諸戸清六は1899年に私財を投じて水源調査を始めた。小野山・愛宕山下の竪坑から得られる湧水の水質が良好だったため、この地域を水源に選んだ。

約2キロメートルの自家用水道から公共給水へ

本格整備に先立ち、水源から東太一丸の邸宅まで約2,000メートルにわたり、口径3インチ(約7.6センチメートル)の鋳鉄管を敷設して自家用水道を設けた。余剰水は邸宅前の水槽へ引き込み、町民へ開放した。給水塔は、この邸宅周辺での給水を伝える関連遺産として位置付けられる。

1904年6月、諸戸水道が完成

水源調査開始から6年後の1904年6月、地下水・湧水を集める施設、貯水池、鋳鉄管などを整備した諸戸水道が完成した。町中には55か所の共用栓が設けられ、町民へ無料で開放された。三重県の文化財資料では、給水管は約14キロメートルに及び、55か所の共用栓と24か所の消火栓で旧桑名町や周辺地域へ水を供給したとされる。

1924年に桑名町へ寄附

初代諸戸清六が1906年に亡くなった後は二代目諸戸清六と諸戸精太が設備を管理し、1924年に諸戸水道は桑名町へ寄附された。桑名市の水道事業年報では、私設諸戸水道を現在の桑名市水道事業の起点として扱っている。

給水塔そのものは県指定史跡ではない

諸戸水道の関連施設のうち、1904年建設の貯水池遺構は2008年3月19日に三重県指定史跡となった。一方、桑名市の現行文化財案内では、給水塔そのものを県指定史跡とはしていない。本ページでは、貯水池遺構の文化財指定を給水塔へ誤って帰属させない。

現在は諸戸水道の歴史を伝える関連遺産

桑名市は現在も、貯水池遺構、水源井、諸戸氏庭園、給水塔などを「諸戸水道の関連遺産」として紹介している。2022年には給水塔を諸戸水道ウォークラリーのチェックポイントにも設定した。現行ページに常設の開館時間や内部公開条件は記載されていないため、訪問時は現地案内と周辺施設の公開範囲に従う必要がある。

Deep research

桑名市の現行文化財案内、令和6年度上下水道事業年報、三重県文化財資料を照合し、煉瓦造給水塔の構造、邸内給水と余剰水開放という用途、1899年の水源調査、1904年の諸戸水道完成、55か所の共用栓、1924年の桑名町への寄附、関連遺産としての現在の保存活用まで整理しました。給水塔単体の建設年・容量は公式資料で確認できないため、推測値は掲載していません。

最終確認:2026年10月3日

施設データを詳しく見る

給水塔建設年
公式資料では不詳
塔体
煉瓦造
直径
3.4メートル
全高
5.0メートル
残存配管
鋳鉄管3本
諸戸水道完成
1904年6月
共用栓
55か所
桑名町へ寄附
1924年

小野山・愛宕山下の地下水から諸戸邸・桑名の町へ届いた水の流れ

  1. 1

    小野山・愛宕山下で水源を確保

    諸戸清六は小野山・愛宕山下の竪坑で得られる地下水・湧水を調べ、飲料に適した水源として利用しました。

  2. 2

    地下水・湧水を貯水池へ集める

    湧水を集めるため空継ぎ土管などを整備し、東方丘陵の貯水池へ水を集めました。

  3. 3

    自然流下で町へ送る

    1904年の創設水道は自然流下方式で、鋳鉄管を通じて桑名町と周辺地域へ水を送りました。

  4. 4

    給水塔で諸戸邸へ給水

    太一丸の給水塔は貯水槽として邸内への給水に使われたと桑名市は説明しています。

  5. 5

    余剰水を公衆へ開放

    給水塔では余った水を公衆へ開放する役割もあったと考えられています。

  6. 6

    55か所の共用栓などへ配水

    諸戸水道全体では町中に55か所の共用栓を設け、住民へ無料で水を提供しました。三重県資料では24か所の消火栓も記録されています。

諸戸水道と給水塔をめぐる年表

  1. 諸戸清六が水源調査を開始

    桑名の飲料水問題を解決するため、私財を投じて水源調査を始めました。

  2. 邸宅まで自家用水道を整備

    水源から東太一丸の邸宅まで約2,000メートル、口径3インチの鋳鉄管を敷設し、余剰水を町民に開放しました。

  3. 私設諸戸水道完成

    貯水池、配管、55か所の共用栓などを整備し、町民への無料給水を始めました。給水塔単体の建設年は現行公式資料では確認できません。

  4. 初代諸戸清六死去

    その後は二代目諸戸清六と諸戸精太が水道設備を管理しました。

  5. 諸戸水道を桑名町へ寄附

    私設水道から町営水道へ移り、桑名の公営水道発展へつながりました。

  6. 関連する貯水池遺構が県指定史跡に

    給水塔ではなく、東方の諸戸水道貯水池遺構が三重県指定史跡となりました。

  7. 諸戸水道ウォークラリーで活用

    桑名市は近代化遺産を巡る企画で、給水塔をチェックポイントの一つに設定しました。

  8. 桑名市が関連遺産案内を更新

    給水塔の所在地・構造・用途を含む現行案内が更新され、歴史資産として紹介が継続されています。

見学・アクセス情報

桑名市は給水塔の所在地を公開し、過去には市主催のウォークラリーのチェックポイントとして活用しています。ただし現行公式ページに常設開館時間や内部公開制度は掲載されていません。

所在地
桑名市太一丸687-5
現況
現存する諸戸水道関連遺産
常設開館時間
公式案内なし
内部公開
現行公式ページに案内なし
過去の活用
2022年諸戸水道ウォークラリーのチェックポイント
周辺
諸戸家住宅・諸戸氏庭園の西側

周辺施設はそれぞれ別の公開条件

問い合わせ
桑名市 観光課 文化振興係

0594-24-1361

見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。

現在は水道遺産として保存

2026年確認

諸戸水道給水塔は現在の飲用水供給施設として案内されておらず、歴史的な水道関連遺産として保存されています。そのため現在の桑名市水道の水質値を、この給水塔へ直接帰属させません。

現在の用途
諸戸水道関連遺産
当初用途
邸内給水・余剰水の公衆開放
現行飲用水質
給水塔単体には帰属させない
関連史跡
諸戸水道貯水池遺構

2008年三重県指定史跡

県指定史跡は貯水池遺構であり、給水塔そのものの指定ではありません。

よくある質問

諸戸水道給水塔はいつ建てられましたか?

給水塔単体の建設年は桑名市の現行公式資料では確認できません。諸戸水道全体は1904年6月に完成しましたが、その年を給水塔の建設年とは断定していません。

どのくらいの大きさですか?

直径3.4メートル、全高5.0メートルです。煉瓦造の八角形基部と円筒形塔体で構成されます。

何のための給水塔でしたか?

桑名市は、貯水槽として諸戸邸内へ給水し、余った水を公衆へ開放するための給水塔だったと説明しています。

塔には何が残っていますか?

本体下面に、塔体を貫通していた3本の鋳鉄管の一部が残っています。

諸戸水道とは何ですか?

初代諸戸清六が私財を投じて整備し、1904年に完成した私設水道です。町内55か所の共用栓から住民へ無料で水を提供しました。

文化財に指定されていますか?

桑名市の現行案内では給水塔そのものを県指定史跡とはしていません。県指定史跡なのは、関連施設の諸戸水道貯水池遺構です。

現在も水道施設として使われていますか?

現在の飲用水供給施設としては案内されておらず、諸戸水道の歴史を伝える関連遺産として保存されています。

見学できますか?

所在地は公開されていますが、常設開館時間や内部公開制度は現行公式ページに掲載されていません。現地案内や周辺施設の公開条件に従ってください。

桑名市諸戸水道給水塔を理解するための要点

本ページでは、桑名市諸戸水道給水塔を三重県・桑名市の給水塔として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。

記録上の所在地
三重県桑名市太一丸687-5
施設種別
給水塔
年代・供用状況
給水塔単体の建設年は現行公式資料で確認できない。諸戸水道全体は1904年6月完成、1924年に桑名町へ寄附
構造・形式
煉瓦造。平面八角形の基部と円筒形塔体、直径3.4メートル、全高5.0メートル。頂部は空洞で、当初は鉄製枠に木製板の蓋があり、本体下面には3本の鋳鉄管の一部が残る

施設の機能と地域での役割

配水・給水施設は、水を一時的に蓄え、需要や水圧を調整しながら地域へ届ける役割を担います。用途、対象区域、構造は施設ごとの資料で確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。

見学・現地確認について

掲載上の見学情報は「桑名市は所在地を公開し、2022年には諸戸水道ウォークラリーのチェックポイントとして活用した。現行公式ページに常設開館時間や内部公開条件の記載はないため、現地案内・周辺施設の公開範囲に従う」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。

掲載内容はページ末尾の出典・参考資料5件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。

所在地マップ

三重県桑名市太一丸687-5

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地図は公開住所をもとに検索表示しています。施設の管理区域には立ち入らないでください。

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関連タグ

#現存#給水塔#煉瓦造#諸戸水道#近代水道#私設水道#近代化遺産#桑名市

年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。