那珂川と楮川ダムを組み合わせた基幹浄水場
楮川浄水場は、水戸市の第五次拡張事業で整備され、1986年に通水した。原水は浄水場のすぐ横を流れる楮川から直接取るのではなく、約5キロメートル離れた那珂川の枝内取水塔から導水する。導いた水を楮川ダムへ貯め、必要量を浄水場へ送る構成が大きな特徴である。
市が管理する水道専用ダム
楮川ダムは1981年に工事へ着手し、1986年に完成した水道専用ダムである。高さ35メートル、堤頂長364メートル、総貯水容量197万立方メートルを持つ。河川そのものをせき止めて貯める方式ではなく、那珂川から導いた原水を貯留する。那珂川から取水できない場合でも、ダムの貯留水だけで水戸市の使用量のおよそ20日分を賄えると市は説明している。
高速凝集沈でんから急速ろ過へ
ダムから届いた原水に凝集剤を加え、細かな濁りをフロックへまとめ、高速凝集沈でん池で沈める。その後、急速ろ過池を通して残る濁りを取り除き、消毒して浄水池へ貯留する。処理した水は配水池から地形の高低差を利用して市内へ配る。1993年にはろ過施設を増設し、現在の最大浄水能力は1日66,000立方メートルである。
取水停止時にも給水を支える仕組み
通常は那珂川から継続的に原水を取り入れるが、渇水・事故・水質異常などで河川取水を止める必要がある場合には、楮川ダムの貯留水を利用できる。取水地点と浄水場の間に大容量の貯留施設を持つことで、原水側の変動を吸収し、給水継続性を高めている。
水質検査と水道GLP
水戸市は原水、浄水場出口、給水栓などで水質検査を行い、PFOS・PFOAを含む検査結果や放射性物質の測定結果を公表している。水質検査部門は水道GLPの認定を受けており、2024年には認定更新が行われた。検査結果は年度・採水地点ごとに更新されるため、最新値は市の水質情報を優先する。
水道歴史資料室を併設
管理棟2階には1999年に開設された水道歴史資料室があり、水戸市水道の歴史や施設の仕組みを学べる。浄水場そのものも事前申込みにより見学できるため、現役施設の処理工程と市の水道史を合わせて理解できる拠点になっている。
稼働中の施設として見学条件を確認
所在地は水戸市田野町楮原1662番地14。見学は自由入場ではなく、浄水管理事務所への事前申込みが必要である。ダムカードの配布も浄水場事務所で行われているが、配布時間や見学受付条件は変更される可能性があるため、訪問前に水戸市の最新案内を確認したい。
Deep research
水戸市上下水道局の施設紹介、楮川ダム資料、浄水管理事務所の水質情報を照合し、那珂川から約5キロメートルの導水、ダム貯留、高速凝集沈でん・急速ろ過、非常時の水源確保、見学・水質管理まで整理しました。
最終確認:2026年9月4日
施設データを詳しく見る
- 通水
- 1986年
- 最大浄水能力
- 66,000立方メートル/日
- 主水源
- 那珂川
- 楮川ダム総貯水容量
- 1,970,000立方メートル
- 楮川ダム堤高
- 35メートル
- 非常時の貯留目安
- 水戸市使用量の約20日分
枝内取水塔から約5km導水
那珂川から取水できない場合の市説明
那珂川から楮川ダム・水戸市内までの水の流れ
- 1
枝内取水塔で那珂川から取水
浄水場から約5キロメートル離れた那珂川の枝内取水塔で原水を取り入れます。
- 2
導水管で楮川ダムへ
取水した原水を導水施設で楮川ダムへ送り、大きな需要変動や取水停止へ備えて貯留します。
- 3
ダムから浄水場へ原水を送る
必要量を楮川ダムから浄水場へ取り入れ、原水の状態を確認しながら薬品処理へ進めます。
- 4
高速凝集沈でん
凝集剤で細かな濁りをフロックへまとめ、高速凝集沈でん池で沈めます。
- 5
急速ろ過・消毒
沈でん後の水を急速ろ過し、残る濁りを除去したうえで消毒して浄水へ仕上げます。
- 6
配水池から自然流下で市内へ
浄水を配水池へ貯め、地形の高低差を利用しながら水戸市の配水管網へ送ります。
楮川浄水場と楮川ダムの年表
楮川ダム建設に着手
第五次拡張事業の水源安定化施設として水道専用ダムの工事が始まりました。
楮川ダム完成
総貯水容量197万立方メートルの水道専用ダムが完成しました。
楮川浄水場が通水
那珂川と楮川ダムを組み合わせる新しい浄水系統が本格稼働しました。
ろ過施設を増設
需要へ対応するためろ過設備を増設し、現在の処理体制へ拡充しました。
水道歴史資料室を開設
管理棟2階に水戸市水道の歴史を紹介する資料室が開設されました。
水道GLP認定を更新
水質検査の精度・信頼性を確保する管理体制の認定更新が行われました。
PFOS・PFOA等の検査を継続
原水・浄水・給水栓を対象とする水質検査結果が継続して公表されています。
施設見学・ダムカード配布を案内
浄水場事務所を窓口とする見学・ダムカード情報が市公式ページで案内されています。
見学・アクセス情報
楮川浄水場は現役施設ですが、水戸市は事前申込みによる施設見学を案内しています。自由入場ではありません。
- 施設見学
- 事前申込み制
- 申込先
- 水戸市 浄水管理事務所
- 所在地
- 水戸市田野町楮原1662番地14
- 水道歴史資料室
- 管理棟2階に併設
- ダムカード
- 浄水場事務所で配布案内あり
- 注意
- 稼働中の管理区域へ無断で立ち入らない
配布時間は最新公式情報を確認
見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。
楮川浄水場系の水質管理
令和8年度(2026年度)公表状況
水戸市は原水から浄水、給水栓まで段階的に検査し、PFOS・PFOAや放射性物質を含む結果を公表しています。
- 原水検査
- 那珂川・浄水工程で実施
- 浄水検査
- 浄水場出口等で実施
- 給水栓検査
- 市内代表地点で実施
- PFOS・PFOA
- 検査・公表対象
- 放射性物質
- 定期測定を公表
- 品質管理
- 水道GLP認定
2024年認定更新
具体的な測定値は採水日・地点で変動するため、水戸市が公表する最新の水質検査結果を確認してください。
よくある質問
楮川浄水場の水源は楮川ですか?
主な原水は那珂川です。枝内取水塔から約5キロメートル導水し、楮川ダムへ貯めてから浄水場で処理します。
楮川ダムは何のためのダムですか?
水戸市が上水道用として管理する水道専用ダムで、那珂川から導いた原水を貯留します。
処理能力はどのくらいですか?
最大浄水能力は1日66,000立方メートルです。
どのように水をきれいにしますか?
高速凝集沈でん、急速ろ過、消毒を行います。
那珂川から取水できない場合はどうしますか?
楮川ダムの貯留水を利用でき、市は水戸市使用量のおよそ20日分を賄えると案内しています。
見学できますか?
はい。事前申込みによる施設見学が案内されています。最新条件は浄水管理事務所へ確認してください。
水道歴史資料室はありますか?
はい。1999年に管理棟2階へ開設され、水戸市水道の歴史を紹介しています。
現在も使われていますか?
はい。水戸市の基幹浄水場として現在も稼働しています。
水戸市楮川浄水場を理解するための要点
本ページでは、水戸市楮川浄水場を茨城県・水戸市の浄水場として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。
- 記録上の所在地
- 茨城県水戸市田野町楮原1662番地14
- 施設種別
- 浄水場
- 年代・供用状況
- 1981年楮川ダム着工、1986年浄水場通水・ダム完成、1993年ろ過施設増設
- 構造・浄水方式
- 楮川ダム・高速凝集沈でん池・急速ろ過池・浄水池・配水池・管理棟
- 公表された浄水能力等
- 最大浄水能力66,000立方メートル/日
施設の機能と地域での役割
浄水施設は、水源から取り入れた原水の濁りや不純物を取り除き、水道水へ処理する工程を担います。施設固有の処理方式・能力・水源は本文の出典に基づいて確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。
見学・現地確認について
掲載上の見学情報は「施設見学は浄水管理事務所への事前申込み制。見学日時・人数などは水戸市の最新案内を確認し、稼働中の管理区域へ無断で立ち入らない」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。
掲載内容はページ末尾の出典・参考資料4件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。
所在地マップ
茨城県水戸市田野町楮原1662番地14
ピンは公開されている登録住所を基にした位置の目安です。施設の管理区域には立ち入らないでください。
座標確認:MapFan ダムカード配布場所地図 ↗関連タグ
年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。