疏水施設文化財指定国宝「琵琶湖疏水施設 第三隧道」(2025年8月27日)。西坑門単独でなく隧道1所が対象

琵琶湖疏水 第3トンネル出口

1889年完成、蹴上船溜へ水を導く国宝「第三隧道」の西坑門と三条実美の扁額

第1琵琶湖疏水が山科から蹴上船溜へ出る第三隧道の西坑門。1889年3月完成で三条実美の扁額「美哉山河」を掲げる。文化庁の指定記録では煉瓦造隧道の全長851.5m。2025年8月27日に第三隧道全体が国宝指定された。近くには旧御所水道ポンプ室がある。

年代・現況1887年3月東口着工、同年7月西口着工、1889年3月完成。国宝指定は2025年8月27日
所在地京都市山科区
構造・形式煉瓦造第三隧道の西坑門。出口部は石造ポータル・古典主義的意匠。文化庁の隧道延長851.5m、翼壁附属
見学京都市の蹴上・岡崎散策コースから西坑門の…

第三隧道が蹴上船溜へ出る西坑門

第3トンネル出口は、第1琵琶湖疏水の山科から蹴上へ至る第三隧道の西側坑門です。京都市の公式見どころ案内では蹴上エリアに分類されています。文化庁は第三隧道を京都市山科区御陵封ジ山町・日ノ岡堤谷町に所在する1所として登録しています。入口・出口と隧道本体を含む国宝指定範囲と、西坑門だけを指す観光案内の名称を区別します。[1][2]

1887年に両側から着工、1889年3月完成

京都市琵琶湖疏水記念館の歴史写真解説は、日岡山の下を通って蹴上船溜に接続する第三隧道について、1887(明治20)年3月に東口から着工し、同年7月に西口からも掘り進め、1889(明治22)年3月に完成したと記録します。文化庁の建設年も1889年です。第1疏水全体の1890年完成を第三隧道の竣工年月と混同しません。[2][3]

851.5mと850m・約852mの資料差

文化庁の2025年国宝指定記録は第三隧道の延長を851.5mとします。京都市上下水道局の疏水概要データは850m、京都市の2025年施設説明資料は約852mです。測定範囲や算定時点の差は確認できないため、文化財の基本欄は851.5mとし、他の公式記述も併記します。概要データの高さ4.09m・幅員4.54mは隧道の数値であって、出口石造門の外形寸法ではありません。[2][6][8]

三条実美の「美哉山河」と東口の松方正義

西坑門には三条実美の揮毫した「美哉山河(うるわしきかなさんが)」の扁額があります。京都市上下水道局は「なんと美しい山河であることよ」と説明し、史記の故事に触れています。一方、山科側の東口の「過雨看松色」は松方正義の揮毫です。両方の文字や揮毫者を混同せず、京都市記念館が公開する西坑門の歴史写真とも照合しています。[1][4][9]

石造の西坑門と煉瓦造の水路トンネル

京都市の2025年資料では、第三隧道の入口は煉瓦と石造のポータルによるゴシック風意匠、出口は石造ポータルによる古典主義的意匠と説明されています。文化庁が指定する隧道本体は煉瓦造で翼壁が附属します。西坑門の装飾が石造であることを、隧道全体が石造という意味にはしません。[2][6]

蹴上船溜と旧御所水道ポンプ室

山科から第三隧道を通る第1疏水の水は、西坑門を抜けて蹴上船溜へ至ります。京都市琵琶湖疏水記念館には1889年頃の西坑門と船溜の工事写真が残ります。西坑門の近くには旧御所水道ポンプ室があり、京都市の散策案内では双方を同じ見どころとして紹介しています。ただしポンプ室は別施設であり、その設備・供用年を隧道に帰属させません。[3][5][10]

2025年8月27日に第三隧道が国宝指定

2025年5月16日の文化審議会答申の後、京都市は8月27日の官報告示による正式指定を公表しました。文化庁の国宝指定記録は第三隧道を「煉瓦造隧道、延長851.5m、翼壁附属」の1所としています。出口だけが別個に国宝指定されたのではなく、第1疏水全線が同日一律に国宝となったわけでもありません。[2][6][7]

外観散策と疏水船の利用条件

京都市記念館は地下鉄東西線蹴上駅から第三隧道西坑門と旧御所水道ポンプ室へ歩くルートを紹介しています。日本遺産の案内は出口が「びわ湖疏水船」の乗下船場近くにあり乗下船時に見られると説明し、京都市は2026年秋の季節運航も案内しています。ただし乗船は運航日・予約などの条件を確認する必要があり、水路・坑門・トンネル内部への自由立入を意味しません。京都市は釣り・遊泳・無許可の乗艇も禁止しています。[1][5][11][12]

Deep research

京都市上下水道局・琵琶湖疏水記念館の工事写真と文化庁の国宝指定記録を照合。1889年3月完成、三条実美の西口扁額、851.5mと850m・約852mの表記差、見学の範囲を分けて紹介します。

最終確認:2026-11-04

施設データを詳しく見る

東口の着工
1887年3月

京都市記念館の工事写真解説

西口の着工
1887年7月

西側からの掘削開始

隧道完成
1889年3月

京都市記念館の記録。文化庁の建設年は1889年

指定記録の延長
851.5m

文化庁。京都市資料は850m・約852m

トンネル高さ・幅員
4.09m・4.54m

京都市疏水概要データ。西坑門の外形とは別の指標

西口扁額
美哉山河

三条実美の揮毫

東口扁額
過雨看松色

松方正義の揮毫

国宝指定
2025年8月27日

第三隧道1所。答申日は2025年5月16日

下流接続先
蹴上船溜

山科側から第三隧道を出た西側

西口単独の現行導水量
公式公開資料で確認できない

第1疏水全体の流量を転記しない

山科から第三隧道を経て蹴上船溜へ

  1. 1

    琵琶湖から第1疏水へ

    琵琶湖の水を第1疏水が京都へ運ぶ。西坑門は取水施設ではない。

  2. 2

    大津から山科へ

    第1トンネルを通って山科盆地北部の水路に出る。

  3. 3

    第二隧道を経由

    山科の開水路と第二隧道を通って第三隧道の東口へ進む。

  4. 4

    第三隧道東口に入る

    松方正義の扁額がある山科側から日岡山の下の煉瓦造隧道へ入る。

  5. 5

    西口から地上へ

    三条実美の「美哉山河」が掲げられる石造ポータルの出口に達する。

  6. 6

    蹴上船溜へ

    船溜から歴史的な舟運・インクラインなどの水利用系統につながる。

第三隧道西坑門と琵琶湖疏水の年表

  1. 第1疏水全体の工事開始

    第三隧道単独の着工日ではない。

  2. 第三隧道の東口から着工

    京都市記念館の歴史写真の解説。

  3. 西口から着工

    日岡山の反対側から掘削を開始。

  4. 第三隧道が完成

    京都市記念館の完成月。文化庁の1889年建設年と整合する。

  5. 蹴上船溜と西坑門の工事写真

    京都市記念館に残る写真資料。撮影時点と完成日を区別する。

  6. 第1疏水全体の竣工式

    第三隧道は前年に完成している。

  7. 国宝指定の答申

    文化審議会答申であり正式指定日ではない。

  8. 第三隧道を国宝に指定

    官報告示による正式指定。

  9. 京都市が疏水船の季節運航を案内

    常時運航・内部徒歩公開の証明ではない。

見学・アクセス情報

京都市の蹴上・岡崎散策コースでは西坑門の外観を観察できます。疏水船は季節運航の条件を確認し、水路やトンネル内部に立ち入らないでください。

位置
蹴上船溜近く。第三隧道の文化庁指定所在地は山科区御陵封ジ山町・日ノ岡堤谷町
散策
地下鉄東西線蹴上駅を起点とする京都市記念館の「岡崎・蹴上さんぽ」
周辺施設
西坑門・蹴上船溜・旧御所水道ポンプ室
疏水船
乗下船場近く。運航日・予約などは別途公式案内を確認
内部の見学
常設の徒歩一般公開案内は確認できない。水路・隧道・閉鎖管理区域への立入は禁止

見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。

隧道の延長と水質・流量の区分

西坑門は第1疏水の土木施設で、浄水場ではありません。第1疏水全体の取水量や京都市の水道水質値をこの坑門の実測値にしません。隧道延長851.5m(文化庁)と850m・約852m(京都市)の公式記述差を示し、測定基準が不明なまま単一値へ統合しません。[2][6][8]

よくある質問

第3トンネル出口はどこですか?

第1疏水が山科から蹴上船溜へ出る第三隧道の西坑門です。

第三隧道はいつ完成しましたか?

1887年に東西から着工し、1889年3月に完成しました。

トンネルの長さは?

文化庁は851.5m、京都市資料は850m・約852mと記載します。定義差は未解明です。

「美哉山河」は誰の揮毫ですか?

西口にある三条実美の揮毫です。

東口の扁額も同じですか?

いいえ。東口は松方正義の「過雨看松色」です。

出口は石造ですか?

出口のポータルは石造ですが、第三隧道本体は文化庁の指定記録で煉瓦造です。

出口単体が国宝ですか?

いいえ。2025年8月27日に第三隧道1所が国宝指定されました。

内部に入れますか?

常設の一般徒歩公開は確認できません。公開歩道から外観を見られますが水路内部への立入は禁止です。

びわ湖疏水船から見られますか?

公式見どころ案内は乗下船時に間近で見られると説明します。乗船には季節・予約等の条件があります。

琵琶湖疏水 第3トンネル出口を理解するための要点

本ページでは、琵琶湖疏水 第3トンネル出口を京都府・京都市山科区の疏水施設として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。

記録上の所在地
京都府京都市山科区日ノ岡堤谷町付近(文化庁の第三隧道指定所在地は御陵封ジ山町・日ノ岡堤谷町)
施設種別
疏水施設
年代・供用状況
1887年3月東口着工、同年7月西口着工、1889年3月完成。国宝指定は2025年8月27日
構造・形式
煉瓦造第三隧道の西坑門。出口部は石造ポータル・古典主義的意匠。文化庁の隧道延長851.5m、翼壁附属
能力・規模
第三隧道延長851.5m(文化庁記録)。京都市の一般案内は850m・約852m。出口単独の導水量は不詳
文化財等
国宝「琵琶湖疏水施設 第三隧道」(2025年8月27日)。西坑門単独でなく隧道1所が対象

施設の機能と地域での役割

水路・隧道・水路橋などは、水を運ぶ経路や関連設備です。用途は施設によって異なるため、上水道だけに限定せず、送水先や地域での役割を本文で確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。

見学・現地確認について

掲載上の見学情報は「京都市の蹴上・岡崎散策コースから西坑門の外観を観察できる。疏水船には季節・予約等の条件があり、坑門・水路内の自由立入はできない」です。現況や公開条件は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、施設の管理区域や私有地には立ち入らないでください。

掲載内容はページ末尾の出典・参考資料12件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。

所在地マップ

京都府京都市山科区日ノ岡堤谷町付近(文化庁の第三隧道指定所在地は御陵封ジ山町・日ノ岡堤谷町)

地図を大きく見る ↗

地図を読み込むとGoogle マップへ通信します。

地図は公開住所をもとに検索表示しています。施設の管理区域には立ち入らないでください。

地図検索:公開住所による地図検索 ↗

関連タグ

#琵琶湖疏水#第1疏水#第三隧道#第3トンネル#蹴上#蹴上船溜#美哉山河#三条実美#扁額#国宝#近代土木#現存

出典・参考資料

  1. 1日本遺産・琵琶湖疏水「第3トンネル出口」(蹴上・三条実美・疏水船乗下船場)↗本文に戻る ↑
  2. 2文化庁「琵琶湖疏水施設 第三隧道」(1889年・851.5m・国宝指定)↗本文に戻る ↑
  3. 3京都市琵琶湖疏水記念館「工事中の第3トンネル東口」(1887年東西着工・1889年3月完成)↗本文に戻る ↑
  4. 4京都市上下水道局「疏水名所案内」(三条実美・松方正義の扁額)↗本文に戻る ↑
  5. 5京都市琵琶湖疏水記念館「岡崎・蹴上さんぽ」(西坑門と旧御所水道ポンプ室)↗本文に戻る ↑
  6. 6京都市「国宝・重要文化財への指定」説明資料(約852mと東西坑門の意匠)↗本文に戻る ↑
  7. 7京都市「琵琶湖疏水施設 国宝・重要文化財への正式指定」(2025年8月27日官報告示)↗本文に戻る ↑
  8. 8京都市上下水道局「琵琶湖疏水路 概要データ」(850m・高さ4.09m・幅員4.54m)↗本文に戻る ↑
  9. 9京都市琵琶湖疏水記念館「第3トンネル西口洞門」(歴史写真・美哉山河)↗本文に戻る ↑
  10. 10京都市琵琶湖疏水記念館「工事中の蹴上船溜と第3トンネル西口」(1889年頃)↗本文に戻る ↑
  11. 11京都市上下水道局「琵琶湖疏水を大切に守りましょう」(立入・釣り・遊泳等の禁止)↗本文に戻る ↑
  12. 12京都市上下水道局「2026秋季 親子で乗ろう!びわ湖疏水船!」(季節運航)↗本文に戻る ↑

年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。