疏水施設現存第1疏水の第一隧道は2025年8月27日国宝指定。山科疏水約4km全体を一律に国宝指定とするものではない

山科疏水

第1琵琶湖疏水が京都・山科盆地北部を通る約4kmの水路区間と散策路

第1琵琶湖疏水が第1トンネル西口から京都市山科区の日ノ岡へ至る、約4kmの水路区間の通称。1890年に完成した疏水の一部で、安祥寺川水路橋や1903年の第11号橋など近代土木の遺構が沿線に残る。水路沿いの散策ができるが、管理する水路内部への立入はできない。

年代・現況第1琵琶湖疏水は1890年(明治23年)完成。山科区間だけの独立供用開始年ではない
所在地京都市山科区
構造・形式第1琵琶湖疏水の山科区間。開水路、隧道・坑門、安祥寺川を渡る水路橋などが沿線に分布
見学山科疏水沿いの散策路は京都市公式観光案内…

「山科疏水」は山科区間の通称

京都市の琵琶湖疏水見どころ案内は、第1トンネル出口から日ノ岡までの約4kmを「山科疏水」と定義しています。琵琶湖疏水記念館の田邉家資料も、第1トンネル西口を出て山科盆地北部の山麓を流れる部分と説明します。山科疏水はこの線状の区間全体であり、一つの水路橋や浄水場の名称ではありません。公式観光Naviは所在地を山科区四ノ宮~日ノ岡とし、沿道の遊歩道を紹介しています。[1][2][7]

1890年の第1疏水完成と明治京都の水運

山科疏水は琵琶湖と京都市内をつなぐ第1琵琶湖疏水の途中区間です。京都市の公式観光案内は、第1疏水が1890(明治23)年に完成し、明治維新後の京都の産業復興を目的として計画されたと説明します。完成後は水路を利用した通船も発展しました。1890年は第1疏水全体の完成年であり、山科区間の個々の橋・トンネルが同じ日に完成したことまでは示しません。[2][3]

第1隧道から安祥寺川水路橋・第11号橋へ

山科疏水の東側では、琵琶湖側から第1隧道を抜けた水が山科盆地北部の山裾へ出ます。文化庁による第1隧道の指定記録は1890年、煉瓦造、延長2,444.4m、竪坑2基としますが、この2,444.4mは山科疏水の開水路長ではありません。山科では南北に流れる安祥寺川を疏水が水路橋で立体交差し、日ノ岡の第11号橋は1903(明治36)年に造られた日本初期の鉄筋コンクリート橋として京都市観光案内に紹介されています。[3][6][8]

約4kmの水路と約4.2kmの散策路を区別する

日本遺産の施設案内による山科疏水の区間長は約4km。一方、京都市公式観光Naviの散策案内には四ノ宮~日ノ岡の沿道約4.2kmという記載もあります。前者は水路区間の概数、後者は散策する経路の距離として扱い、両者を厳密に同一測量値とはみなしません。桜並木や毘沙門堂への参道周辺など、山科の緑地と生活空間が水路沿いに続きます。[1][3][9]

1931年の底張りと1968~1974年の大改修

京都市上下水道局の疏水史によれば、1931(昭和6)年には第1疏水山科地区の開水路でコンクリート底張りなどの改修を実施しました。1968~1974(昭和43~49)年にも大津~蹴上の第1・第2疏水全線を対象とする導水路整備事業が行われました。1989(平成元)年3月には夷川管理棟から大津~伏見の疏水流量を集中的に監視・制御する設備が完成しています。ただし広域の遠隔監視設備を山科疏水単独の設備として数えません。[4]

水道水源と第1疏水の冬期管理を混同しない

京都市の2025年12月の公表は、2026年1月6日~3月13日に第1疏水を冬期停水して土砂浚渫・清掃を行う予定としています。これは当時の予定期間で、作業の実績完了日を証明する記録ではありません。同公表は、市の水道水源を第2疏水から年間を通して取水するため、予定した第1疏水停水による水道給水への影響はないと説明しています。第1疏水の山科区間をそのまま現在の水道水の全量取水路と表現しません。[5][11]

新山科浄水場への導水トンネルとは別の施設

京都市は新山科浄水場の紹介で、山科区日ノ岡において琵琶湖疏水から原水を取水し、延長約500mの導水管と約4kmの導水トンネルで自然流下させる仕組みを説明しています。この「約4kmの導水トンネル」は山科疏水の「約4kmの開水路区間」とは別の施設と定義です。地図上で近接する流路や同じ4kmという数字から同一設備と判断しません。[10]

文化財の指定範囲と現在の利用

文化庁は、第1隧道を「琵琶湖疏水施設」の一部として2025年8月27日に国宝指定しています。山科疏水沿いにはトンネル坑門や歴史的な橋が点在しますが、約4kmの山科疏水全体が同日国宝になったとするものではありません。京都市の観光情報は、山科疏水沿いの散策、桜・紅葉の名所としての利用を案内しています。文化財指定と一般の立入可能範囲を混同しません。[2][3][6][9]

散策は水路沿いから。水路内部への立入は禁止

京都市の公式観光案内は、JR・地下鉄山科駅や四ノ宮駅、御陵駅周辺から山科疏水沿いに歩くルートを紹介しています。桜の見頃や通船の運航日、遊歩道の工事規制は時期により変わります。一方、京都市上下水道局は疏水の水路内部に立ち入らないよう明示しています。一般向けの散策路と管理水路内部は明確に分け、来訪前に最新の通行・運航案内を確認してください。[2][3][5][9]

Deep research

第1琵琶湖疏水の山科区間を単位とし、路線・沿道の土木施設・改修・文化財指定を個別に説明します。山科疏水の約4kmと浄水場への約4kmの導水トンネルは別の数値です。

最終確認:2026-11-04

施設データを詳しく見る

施設の範囲
第1トンネル西口~日ノ岡

京都市の公式施設紹介が定義する山科疏水の区間

区間長
約4km

第1疏水の山科部分。沿道の散策路距離とは区別

散策路
約4.2km

京都市公式観光案内の四ノ宮~日ノ岡ルート概数

第1琵琶湖疏水完成
1890年

疏水全体の完成年であり単独区間の供用日ではない

第1隧道
2,444.4m

文化庁の隧道単体の長さ。山科疏水約4kmと合算しない

日ノ岡第11号橋
1903年

京都市公式観光案内が紹介する橋の建設年

開水路の底張り
1931年

第1疏水山科地区の改修

導水路改修
1968~1974年

大津~蹴上の第1・第2疏水を対象とする広域事業

第1隧道の国宝指定
2025年8月27日

山科疏水区間全体の指定日ではない

区間単独の設計流量
公式公開資料では確認できない

第1・第2疏水全体の水量を代入しない

第1疏水の水の流れと山科区間

  1. 1

    琵琶湖から第1疏水へ取水

    滋賀県大津側の取水口から疏水の水路へ導入される。

  2. 2

    第1隧道を通過

    文化庁記録で延長2,444.4mの第1トンネルを経て山科盆地へ出る。

  3. 3

    山科盆地北部の山裾を通過

    第1トンネル西口から日ノ岡までの約4kmが山科疏水と呼ばれる。

  4. 4

    安祥寺川の上を水路橋で横断

    疏水の流れが川と立体交差し、川の水流を遮らないようにした土木構造。

  5. 5

    日ノ岡を経て蹴上方面へ

    山科区間を抜けた第1疏水は京都市街地に向かって続く。

  6. 6

    多目的に利用・維持管理

    京都市は第1疏水を冬期停水・浚渫し、第2疏水からの通年水道水源取水と区別している。

山科疏水と第1疏水の主な沿革

  1. 第1琵琶湖疏水が完成

    山科疏水は第1疏水の山科区間の通称。

  2. 日ノ岡第11号橋が架設

    山科沿線の初期鉄筋コンクリート橋として京都市観光案内に掲載。

  3. 山科地区の開水路を改修

    第1疏水山科地区の開水路にコンクリート底張りを施工。

  4. 大津~蹴上間の導水路整備

    第1・第2疏水全線の改修事業。山科区間のみの工事としない。

  5. 疏水流量の遠隔監視・制御設備が完成

    夷川管理棟を中心とする大津~伏見の広域システム。

  6. 琵琶湖疏水の観光通船が本格再開

    大津~蹴上を中心とする観光航路で、山科疏水区間も紹介される。

  7. 第1隧道が国宝指定

    文化庁記録は2025年8月27日。約4km全体の指定と混同しない。

  8. 京都市が翌冬の停水予定を発表

    第1疏水の浚渫・清掃のための計画。

  9. 第1疏水の停水・浚渫予定期間

    公表上の予定日は1月6日~3月13日。個別作業の完了を推定しない。

見学・アクセス情報

京都市の観光案内は山科疏水沿いの散策路を紹介。水路内部・管理設備への立入や無条件の通船利用を意味しません。

所在地
京都府京都市山科区四ノ宮~日ノ岡の水路沿い
公共交通
山科駅・四ノ宮駅・御陵駅周辺から散策路へ
一般利用
公式案内が遊歩道の散策を紹介。時期や工事の通行制限は最新情報を確認
立入禁止
疏水の水路内部と閉鎖された管理区域

見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。

水源・水質の扱い

第1疏水の山科区間は浄水処理を行う施設ではありません。京都市は第2疏水からの通年取水を水道水源として説明しており、新山科浄水場の水質検査値や取水池の値を、山科疏水区間の独立した水質値として帰属させません。[5][10][11]

よくある質問

山科疏水とはどこですか?

第1琵琶湖疏水が第1トンネル西口から日ノ岡へ流れる、京都市山科区内約4kmの区間の通称です。

いつ造られましたか?

第1琵琶湖疏水全体が1890年に完成しました。個々の橋や改修の年は別に扱います。

全長は4kmですか、4.2kmですか?

京都市の疏水見どころ案内は水路区間を約4km、公式観光案内は四ノ宮~日ノ岡の散策路を約4.2kmと説明しています。

第1トンネルの長さは山科疏水に含まれますか?

第1隧道単体の長さは文化庁記録で2,444.4mです。山科疏水の約4kmと同一の施設長として合算しません。

山科疏水沿いには何がありますか?

安祥寺川水路橋、日ノ岡第11号橋、トンネルの坑門など、疏水に関連する歴史的土木施設があります。

山科疏水は国宝ですか?

第1隧道は2025年8月27日に国宝指定されましたが、山科区間の全長約4kmが一括して国宝指定されたとするものではありません。

現在も水道水として使われていますか?

疏水全体は水道・かんがい等に利用されます。京都市は第1疏水の冬期停水中も水道原水を第2疏水から年中取水すると公表しています。

水路の中を歩けますか?

いいえ。京都市は水路内部に立ち入らないよう注意喚起しています。散策は遊歩道から行ってください。

冬には水が止まるのですか?

京都市は土砂浚渫と清掃のため第1疏水を冬期停水する予定を公表しています。年度ごとの実施状況と期間は最新情報で確認してください。

山科疏水を理解するための要点

本ページでは、山科疏水を京都府・京都市山科区の疏水施設として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。

記録上の所在地
京都府京都市山科区四ノ宮~日ノ岡(線状の水路区間。単一の番地はない)
施設種別
疏水施設
年代・供用状況
第1琵琶湖疏水は1890年(明治23年)完成。山科区間だけの独立供用開始年ではない
構造・形式
第1琵琶湖疏水の山科区間。開水路、隧道・坑門、安祥寺川を渡る水路橋などが沿線に分布
能力・規模
山科疏水の区間長約4km。区間単独の設計導水量・現行流量は今回の公式資料では不詳
文化財等
第1疏水の第一隧道は2025年8月27日国宝指定。山科疏水約4km全体を一律に国宝指定とするものではない

施設の機能と地域での役割

水路・隧道・水路橋などは、水を運ぶ経路や関連設備です。用途は施設によって異なるため、上水道だけに限定せず、送水先や地域での役割を本文で確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。

見学・現地確認について

掲載上の見学情報は「山科疏水沿いの散策路は京都市公式観光案内で紹介。ただし水路内部・管理設備・閉鎖区域への立入は禁止。通船は別途予約条件を確認」です。現況や公開条件は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、施設の管理区域や私有地には立ち入らないでください。

掲載内容はページ末尾の出典・参考資料11件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。

所在地マップ

京都府京都市山科区四ノ宮~日ノ岡(線状の水路区間。単一の番地はない)

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関連タグ

#京都市上下水道局#山科疏水#第1琵琶湖疏水#山科運河#疏水施設#産業遺産#安祥寺川#水路橋#疏水さんぽ#近代土木#現存

出典・参考資料

  1. 1日本遺産・琵琶湖疏水「山科疏水」(第1トンネル出口から日ノ岡までの区間約4km)↗本文に戻る ↑
  2. 2京都市公式観光Navi「第1琵琶湖疏水」(第1疏水の完成年、山科区の区間・遊歩道)↗本文に戻る ↑
  3. 3京都市公式観光Navi「山科疏水沿い歴史めぐり旅」(安祥寺川水路橋、日ノ岡第11号橋、約4.2kmの散策路)↗本文に戻る ↑
  4. 4京都市上下水道局「琵琶湖疏水の歴史(5)」(1931年の山科地区底張り、1968~1974年改修、1989年遠隔監視)↗本文に戻る ↑
  5. 5京都市上下水道局「第1疏水の停水・土砂浚渫」(2025年12月公表、2026年冬期予定、立入禁止と第2疏水の水道水源)↗本文に戻る ↑
  6. 6文化庁「琵琶湖疏水施設 第一隧道」(1890年、延長2,444.4m、2025年8月27日国宝指定)↗本文に戻る ↑
  7. 7京都市琵琶湖疏水記念館「山科運河 御陵(1)」(第1トンネル西口から山科盆地北部の山麓へ)↗本文に戻る ↑
  8. 8京都市琵琶湖疏水記念館「疏水さんぽ・大津~山科」(第1隧道、安祥寺川水路橋、山科の沿線施設)↗本文に戻る ↑
  9. 9京都市公式観光Navi「山科疏水の桜」(散策路、開花時期とアクセス)↗本文に戻る ↑
  10. 10京都市上下水道局「新山科浄水場のあらまし」(日ノ岡取水と新山科浄水場への別の導水管・導水トンネル)↗本文に戻る ↑
  11. 11京都市上下水道局「琵琶湖疏水の歴史(6)」(現代の疏水の多目的水利用)↗本文に戻る ↑

年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。