配水池文化財指定国指定重要文化財「琵琶湖疏水施設」の構成施設(2025年8月27日正式指定)

京都市蹴上浄水場第一高区配水池

京都市創設水道の煉瓦造遺構を保存しながら現代の配水機能へ更新した重要文化財

1912年に京都市創設水道の一部として建設された蹴上浄水場第一高区配水池。創設期の蹴上浄水場で唯一残る施設で、入口部にはゴシック風の煉瓦造上屋が残る。老朽化に伴う改良では曳家工法で歴史的外観を保存し、2025年8月27日に琵琶湖疏水施設の一部として国の重要文化財に指定された。

年代・現況1912年(明治45年)建設、2013年度改良工事着手、2017年度事業評価で工事完了を確認、2025年8月27日重要文化財指定
所在地京都市
構造・形式配水池入口部に煉瓦造のゴシック風上屋を備える創設期施設。2010年代の改良工事では歴史的な地上建造物・外観を保存するため曳家工法を採用
見学通常は浄水場内へ自由に立ち入れない。令和…

京都市創設水道とともに1912年に建設

蹴上浄水場第一高区配水池は、琵琶湖第2疏水の完成と京都市上水道の創設に合わせて1912年に建設された。蹴上浄水場は日本最初の急速ろ過式浄水場として同年に完成し、1912年4月から京都市で初めて本格的な給水を始めた。第一高区配水池は、その創設期を現在へ伝える施設である。

創設時は高所へ水を上げて中心市街地へ配水

京都市の日本遺産「琵琶湖疏水」公式サイトでは、蹴上船溜から取水した水を浄水処理した後、場内の高い位置にある第一高区配水池へポンプアップし、京都の中心市街地へ配水したと説明している。高所に水を蓄えて水圧を確保することが、創設期の高区配水の重要な役割だった。

ゴシック風の煉瓦造上屋が残る

第一高区配水池の入口部には、煉瓦造によるゴシック風の上屋が設けられている。京都市は、同施設を蹴上浄水場に唯一残る創設期の施設と位置付けており、地上建造物や外壁は近代化を象徴する煉瓦造として評価している。

老朽化対策と歴史的外観の保存を両立

建設から100年以上が経過し老朽化が進んだため、京都市は2013年度に第一高区配水池の改良工事へ着手した。更新にあたっては、歴史的価値の高い煉瓦造建造物を残すため、建物を解体せず移動させる曳家工法を採用した。京都市の2017年度事業評価では改良工事の完了が確認されている。

蹴上浄水場は現在も日量198,000立方メートル

現在の蹴上浄水場の施設能力は1日198,000立方メートル。京都市の現行案内では、浄水した水を最高区・高区・低区の3区域に分けて配水池へ送り、市内へ自然流下で給水すると説明している。高区配水池全体の容量は29,000立方メートルである。ただし、第一高区配水池単体の容量は現行の公式公開資料では確認できないため、本ページでは推測値を記載しない。

配水池は水量だけでなく水質管理も担う

京都市は配水池について、浄水した水を貯留して需要変動に対応するだけでなく、塩素濃度を均一化し、水質を管理する場所でもあると説明している。蹴上浄水場では、配水池から市街地へ自然流下で水を送る仕組みが現在も使われている。

2025年に琵琶湖疏水施設の重要文化財へ

2025年8月27日、琵琶湖疏水施設が国宝・重要文化財に正式指定され、蹴上浄水場第一高区配水池は重要文化財24か所の構成施設の一つとなった。明治45年建設の水道施設として、琵琶湖疏水が舟運・発電だけでなく京都の近代水道にも利用されたことを示す遺構である。

2026年も蹴上浄水場を期間限定公開

蹴上浄水場は通常の自由入場施設ではないが、京都市上下水道局は毎年「蹴上のつつじ」一般公開を実施している。令和8年度は2026年4月25日、26日、29日の9時30分から16時まで開催され、施設見学ツアーも実施された。公開範囲や配水池内部の見学可否は年度ごとに異なるため、訪問前に最新の公式案内を確認する必要がある。

Deep research

京都市上下水道局と日本遺産「琵琶湖疏水」の公式資料を照合し、1912年の創設、創設時の配水経路、ゴシック風煉瓦上屋、曳家工法による保存更新、現在の高区配水系統、2025年の重要文化財指定、2026年の一般公開まで整理しました。第一高区配水池単体の容量は現行公開資料で確認できないため、推測値は掲載していません。

最終確認:2026年10月2日

施設データを詳しく見る

建設
1912年(明治45年)
文化財指定
2025年8月27日
蹴上浄水場能力
198,000立方メートル/日
高区配水池全体
29,000立方メートル

第一高区単体容量ではない

歴史的意匠
煉瓦造・ゴシック風上屋
保存更新
曳家工法
改良工事
2013年度着手・2017年度事業評価で完了確認
所在地
京都市東山区粟田口華頂町3番地

琵琶湖疏水から第一高区配水池を経て京都市街へ届く水の流れ

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    琵琶湖から疏水で原水を導く

    京都市の水道は琵琶湖を水源とし、蹴上浄水場へ疏水を通じて自然流下で原水を導きます。

  2. 2

    蹴上浄水場で急速ろ過

    蹴上浄水場は日本最初の急速ろ過式浄水場として1912年に給水を開始しました。現在の施設能力は1日198,000立方メートルです。

  3. 3

    創設時は第一高区配水池へポンプアップ

    創設期は浄水処理後の水を場内高所の第一高区配水池へポンプで上げ、中心市街地へ送っていました。

  4. 4

    高区配水池で水量・水質を調整

    京都市は配水池を貯留・需要調整に加え、塩素を均一化して水質を管理する施設と位置付けています。

  5. 5

    高区系統から市街地へ自然流下

    現在の蹴上浄水場では、最高区・高区・低区の配水池から高低差を利用して市内へ自然流下で給水します。

  6. 6

    高区配水池群全体で29,000立方メートル

    京都市の現行案内では高区配水池全体の容量を29,000立方メートルとしています。第一高区配水池単体の容量は公開資料で確認できません。

第一高区配水池の建設・保存・文化財指定年表

  1. 蹴上浄水場完成

    琵琶湖第2疏水の完成に伴い、日本最初の急速ろ過式浄水場として完成しました。

  2. 京都市水道が給水開始

    蹴上浄水場から京都市への本格的な水道給水が始まりました。第一高区配水池も創設施設として使われました。

  3. 蹴上浄水場の第2系統を増設

    水需要増加に対応し、給水能力は1日198,000立方メートルとなりました。

  4. 創設期第1系統を休止

    浄水処理施設の全面更新に向け第1系統を休止しましたが、第一高区配水池は創設期遺構として残されました。

  5. 浄水施設全面リニューアル完了

    ちんでん池増設を含む更新により、現在の1日198,000立方メートル体制となりました。

  6. 第一高区配水池改良工事に着手

    老朽化対策と耐震性向上を進めつつ、歴史的な煉瓦造外観を保存する工事を始めました。

  7. 改良工事完了を確認

    京都市上下水道事業の平成29年度経営評価で、第一高区配水池改良工事の完了が報告されています。

  8. 国の重要文化財に指定

    琵琶湖疏水施設の構成施設として正式に重要文化財となりました。

  9. 蹴上浄水場一般公開

    4月25日・26日・29日に「蹴上のつつじ」一般公開が実施され、施設見学ツアーも行われました。

見学・アクセス情報

第一高区配水池は蹴上浄水場内の管理施設で、通常は自由に立ち入れません。京都市上下水道局が実施する期間限定一般公開時に場内へ入ることができますが、公開範囲は年度ごとに変わります。

通常時
自由入場不可
令和8年度一般公開
2026年4月25日・26日・29日
公開時間
9:30~16:00

最終入場15:30

施設見学ツアー
事前予約制

申込多数の場合は抽選

アクセス
地下鉄東西線「蹴上駅」2番出口すぐ
駐車場
来場者用駐車場なし
所在地
京都市東山区粟田口華頂町3番地

見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。

現在の配水機能と水質管理

2026年確認

第一高区配水池単体の水質測定値は公開資料から直接帰属できないため掲載しません。京都市は蹴上浄水場の配水池全体について、浄水を貯留して市内へ自然流下で送り、塩素を均一化して水質を管理する施設と説明しています。

蹴上浄水場能力
198,000立方メートル/日
高区配水池全体容量
29,000立方メートル
配水方式
配水池から自然流下
水質上の役割
塩素の均一化・品質管理
第一高区単体容量
公開資料では確認できず

高区全体の容量を第一高区配水池単体の容量として扱わないよう区別しています。

よくある質問

第一高区配水池はいつ造られましたか?

1912年(明治45年)です。京都市創設水道と蹴上浄水場の建設に合わせて整備されました。

何が歴史的に重要なのですか?

蹴上浄水場に唯一残る創設期の施設で、入口部に煉瓦造のゴシック風上屋が残っています。琵琶湖疏水が京都の近代水道を支えたことを示す施設でもあります。

現在の容量はどのくらいですか?

京都市は蹴上浄水場の高区配水池全体を29,000立方メートルと案内していますが、第一高区配水池単体の容量は現行公開資料では確認できません。

更新工事で古い建物は壊されましたか?

京都市は歴史的な煉瓦造外観を保存するため、建造物を解体せず移動させる曳家工法を採用して改良しました。

文化財ですか?

はい。2025年8月27日に琵琶湖疏水施設の構成施設として国の重要文化財に正式指定されました。

どのように市街地へ水を送りますか?

創設時は処理水を第一高区配水池へポンプアップし中心市街地へ配水しました。現在の蹴上浄水場では配水池から高低差を利用して自然流下で市内へ給水します。

見学できますか?

通常は自由に立ち入れません。京都市上下水道局が実施する「蹴上のつつじ」一般公開など、期間限定公開時の範囲で見学できます。

2026年の一般公開はいつでしたか?

2026年4月25日、26日、29日の9時30分から16時まで実施されました。施設見学ツアーは事前予約制でした。

京都市蹴上浄水場第一高区配水池を理解するための要点

本ページでは、京都市蹴上浄水場第一高区配水池を京都府・京都市の配水池として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。

記録上の所在地
京都府京都市東山区粟田口華頂町3番地
施設種別
配水池
年代・供用状況
1912年(明治45年)建設、2013年度改良工事着手、2017年度事業評価で工事完了を確認、2025年8月27日重要文化財指定
構造・形式
配水池入口部に煉瓦造のゴシック風上屋を備える創設期施設。2010年代の改良工事では歴史的な地上建造物・外観を保存するため曳家工法を採用
公表された配水能力・容量等
第一高区配水池単体の容量は現行の公式公開資料で確認できない。蹴上浄水場の高区配水池全体は29,000立方メートル
文化財等
国指定重要文化財「琵琶湖疏水施設」の構成施設(2025年8月27日正式指定)

施設の機能と地域での役割

配水・給水施設は、水を一時的に蓄え、需要や水圧を調整しながら地域へ届ける役割を担います。用途、対象区域、構造は施設ごとの資料で確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。

見学・現地確認について

掲載上の見学情報は「通常は浄水場内へ自由に立ち入れない。令和8年度「蹴上のつつじ」一般公開は2026年4月25日・26日・29日の9時30分~16時に実施。公開範囲や施設見学ツアーは年度ごとの公式案内を確認」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。

掲載内容はページ末尾の出典・参考資料7件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。

所在地マップ

京都府京都市東山区粟田口華頂町3番地

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関連タグ

#重要文化財#明治期#琵琶湖疏水#配水池#煉瓦造#ゴシック風#曳家工法#蹴上浄水場

年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。

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