ダム現存

神水ダム

下久保発電所の逆調整と鬼石発電所の水源を担う、神流川の県営発電専用ダム

群馬県藤岡市鬼石の神流川にある群馬県企業局管理の発電専用ダム。1968年度完成、堤高20.5m。下久保発電所の逆調整ダムとして建設され、現在は神水ダムからの責任放流水を利用する鬼石発電所とも一体的な発電系統を形成する。

年代・現況1968年度完成/下久保発電所は1968年5月運転開始
所在地藤岡市
形式・構造重力式コンクリートダム
見学ダムカードは神水ダム管理所で平日9:00…

下久保発電所の逆調整を担う神流川の発電専用ダム

神水ダムは、群馬県藤岡市鬼石の利根川水系神流川にある群馬県企業局管理のダムです。貯水池は神水湖と呼ばれます。現行の県公式ページでは、目的を「発電」、型式を重力式コンクリート、堤高20.5m、堤頂長130.5m、堤体積15,280m³としています。[1][2]

総貯水容量は501,800m³、有効貯水容量は200,000m³、堆砂容量は209,400m³です。この3値だけでは総貯水容量の全内訳が一致しないため、残る容量を独自に別用途へ割り当てていません。[1]

正式目的はP(発電)のみ

群馬県の「群馬県内のダム一覧」では、神水ダムの目的記号はPのみです。F(洪水調節)、N(河川維持・不特定)、W(上水道)などは付いていません。[2]

神水ダムには洪水吐4門、設計洪水位、流量調節用の起伏ゲートなどがありますが、これらの設備があることと、正式目的として洪水調節を持つことは同じではありません。本記事では設備の存在だけを根拠にF目的を追加していません。[1][2]

下久保発電所の逆調整ダムとして建設

群馬県は鬼石発電所の説明で、神水ダムを「下久保発電所逆調整ダムとして建設された」と明記しています。[3]

下久保発電所は下久保ダムに建設された最大出力15,000kW、最大使用水量12.0m³/sの発電所で、1968年5月に運転を開始しました。県のダム一覧では神水ダムも1968年度完成とされています。[2][3][4]

逆調整ダムは、上流発電所から時間的に変動して放流される水を一時的に受け、下流側の流量変動を緩和する役割を持つ施設です。神水ダムについては、群馬県が下久保発電所の逆調整ダムと明示しているため、その役割を記事の中心に置いています。[3]

神水ダムの放流水を鬼石発電所で再利用

鬼石発電所は、神水ダムから責任放流している水を利用してエネルギーの有効利用を図るため建設された発電所です。2002年2月に運転を開始し、最大出力790kW、最大使用水量12.0m³/sです。[3][4]

群馬県企業局の2025年10月更新「発電所一覧表」では、鬼石発電所の発電形式を「ダム水路式」としています。一方、坂東発電事務所の個別紹介ページでは「ダム式発電所」と記載しています。[3][4]

同じ群馬県公式資料内で形式表記が異なるため、本記事では形式を一つへ勝手に統一せず、現在の一覧表ではダム水路式、個別説明ではダム式という差があることを明記します。[3][4]

下久保・神水・鬼石を一つの水利用系統として読む

下久保発電所は、下久保ダムの水を最大12.0m³/s使い、最大15,000kWで発電します。その放流水を下流の神水ダムが逆調整し、神水ダムからの責任放流水を鬼石発電所が最大12.0m³/s利用して最大790kWで発電します。[3][4]

つまり、神水ダムは単独で「何kWの発電所」と表現するより、上流の下久保発電所と下流の鬼石発電所をつなぐ水運用設備として理解する方が正確です。[1][3]

下久保第二発電所はこれとは別で、下久保ダム下流へ流す維持流量0.323m³/sを利用する最大270kWの発電所です。本記事では鬼石発電所と下久保第二発電所を混同しません。[3]

神水湖は有効容量20万m³

神水湖の集水面積は338.68km²、湛水面積は0.083km²です。総貯水容量501,800m³に対し、有効貯水容量は200,000m³です。[1]

常時満水位はEL142.3m、最低水位はEL139.0m、設計洪水位はEL146.5mです。越流部天端高はEL139.0m、非越流部天端高はEL148.5mです。これらは海抜標高で、堤高20.5mや水深とは別の数値です。[1]

集水面積338.68km²は神水湖の水面積ではありません。湛水面積0.083km²とは意味が異なります。[1]

洪水吐4門・起伏ゲート・取水ゲート

洪水吐は高さ3.30m×幅15.00mの鋼製溢流型ローラーゲート4門です。流量調節設備として高さ4.30m×幅5.00mの起伏ゲート1門、取水設備として高さ3.66m×幅4.14mの鋼製連動バイパス升付ローラーゲート1門を備えます。[1]

県は神水ダムの放流警告看板位置図も公開しています。発電専用ダムでも放流による下流水位変化への安全対策が必要ですが、警告設備の存在をF目的の根拠にはしていません。[1][2]

ダム周辺には通年の禁漁区域が設定

神流川漁業協同組合の遊漁規則では、逆調整ダム(神水ダム)から上流側について左岸250m、右岸660m、下流側100mの区域を、1月1日から12月31日まで採捕禁止区域として定めています。[6]

これは漁業上の採捕規制であり、一般の道路通行やダム見学範囲そのものを示すルールではありません。本記事では「ダム周辺が全面立入禁止」とは書かず、遊漁規則上の禁漁区域としてのみ扱います。[6]

2024年度に洪水吐ゲートを修繕

群馬県の2024年度上期発注工事一覧には、「神水ダム洪水吐ゲート等修繕工事」が掲載されています。2024年8月23日契約、予定価格32,620,000円、当初契約額32,100,000円で、鋼構造物工事として実施されています。[7]

この資料は契約実績を示すため、単なる発注予定とは区別できます。ただし、具体的な部材交換範囲や完成検査日までは同資料から確認できないため、そこまでは補っていません。[7]

神水ダムでは以前にも洪水吐ゲートの減速機等取替や監視制御装置の更新が行われており、長期供用設備を継続的に更新していることが確認できますが、過去工事を2026年の現行設備仕様と同一視していません。[7]

2026年度はゲート・管理橋塗装の設計を予定

2026年度の発注見通し業務委託には、「神水ダム洪水吐ゲート外塗装設計業務委託」が掲載されています。藤岡市鬼石地先で、洪水吐ゲートおよび管理橋の塗替え塗装に係る設計を行う計画です。[8]

発注予定時期は第2四半期(7月)、履行期間8か月とされています。ただし、この資料は2026年4月1日時点の見通しであり、実際の発注・契約・完了が予定どおりだったことを示す資料ではありません。[8]

そのため、本記事では2026年度の「設計予定」とし、塗装工事が既に完成したとは記載していません。[8]

鬼石発電所は2027年度以降の電力売却対象

2026年9月18日の群馬県企業局の電力売却公告では、鬼石発電所が利南発電所などとともに、2027年度以降の売電対象となる7水力発電所の一つに掲載されています。[9]

これは神水ダムと水利用上つながる鬼石発電所が、現在も群馬県企業局の発電事業で運用されていることを確認できる資料です。[3][9]

公告の目標売却電力量101,240,000kWhは7発電所の合計値であり、鬼石発電所単独の年間発電量としては扱いません。[9]

ダムカードは神水ダム管理所で配布

神水ダムのダムカードは、神水ダム管理所(藤岡市鬼石594-1)で配布されています。配布は平日9:00~16:00、来訪者1名につき1枚で、ダム管理作業により職員不在の場合は待つことがあります。[1]

企業局は2019年6月1日から、建設当初の写真を使ったダムカードVer.3.0を、神水ダムを含む企業局管理5ダムで配布しています。神水ダム公式ページでは2021年10月8日からカード配布を再開したと案内しています。[1][5]

問い合わせ先は坂東発電事務所、電話027-231-1681、受付は平日9:00~16:00です。[1]

現行の堤体見学対象一覧には掲載なし

群馬県河川課の現行ページでは、神水ダムはダムカード対象一覧に掲載されています。一方、「ダム見学(堤体内の見学含む)」の対象として列挙されている県土整備部所管7ダムの中に神水ダムはありません。[5]

したがって、本記事では「カード配布あり」は確認済み情報として掲載しますが、「堤体内部を常時見学できる」とは記載しません。見学目的の場合は坂東発電事務所または企業局発電課へ事前に確認してください。[1][5]

Deep research

群馬県企業局の現行ダム諸元、坂東発電事務所の発電所説明、2025年更新の発電所一覧、2024年工事実績、2026年度発注見通し、2026年電力売却公告を照合しました。P目的と洪水吐設備、下久保発電所との逆調整関係、鬼石発電所の形式表記差、工事実績と予定、カード配布と内部見学を区別しています。角括弧は記事末尾の出典番号です。

最終確認:2026-10-01

施設データを詳しく見る

堤高・堤頂長
20.5m/130.5m

群馬県企業局・県内ダム一覧の公表値。[1][2]

堤体積
15,280m³

ダム本体のコンクリート体積。貯水容量とは別です。[1]

総貯水容量
501,800m³

県内ダム一覧では50.2万m³と丸めて掲載されています。[1][2]

有効貯水容量
200,000m³

現在の実貯水量ではありません。[1]

集水面積・湛水面積
338.68km²/0.083km²

流域面積と水面積を区別した値です。[1]

目的・完成年度
P/1968年度

正式目的は発電のみです。[2]

下久保発電所から神水ダム、鬼石発電所へつながる水利用

群馬県企業局が公表する現在の発電施設関係を整理しています。[3][4]

  1. 1

    下久保ダムから下久保発電所へ水を送る

    下久保発電所は最大使用水量12.0m³/s、最大出力15,000kWです。[3][4]

  2. 2

    下久保発電所で発電する

    1968年5月に運転を開始しました。[3][4]

  3. 3

    発電放流水を神水ダムで受ける

    県は神水ダムを下久保発電所の逆調整ダムと説明しています。[3]

  4. 4

    神水湖で流量変動を調整する

    有効貯水容量200,000m³の発電専用ダムです。[1][2]

  5. 5

    神水ダムから責任放流する

    鬼石発電所はこの放流水を利用すると県が説明しています。[3]

  6. 6

    鬼石発電所で再び発電する

    最大出力790kW、最大使用水量12.0m³/s、2002年2月運転開始です。[3][4]

神水ダムと関連発電所・維持管理の年表

  1. 下久保発電所が運転開始

    最大出力15,000kWの発電所です。[3][4]

  2. 神水ダム完成年度

    群馬県内ダム一覧が昭和43年度完成としています。[2]

  3. 鬼石発電所が運転開始

    神水ダムからの責任放流水を利用する最大790kWの発電所です。[3][4]

  4. ダムカードVer.3.0配布開始

    企業局管理5ダムで建設当初の写真を使ったカード配布が始まりました。[5]

  5. ダムカード配布を再開

    神水ダム公式ページが再開日を明記しています。[1]

  6. 洪水吐ゲート等修繕工事を契約

    令和6年度上期発注工事一覧表に契約実績が掲載されています。[7]

  7. 神水ダム公式ページ更新

    現行諸元・カード配布案内の更新日です。[1]

  8. 発電所一覧を更新

    鬼石発電所を最大790kW・ダム水路式として掲載しています。[4]

  9. 洪水吐ゲート・管理橋塗装の設計を発注見通しに掲載

    2026年4月1日時点の予定情報です。[8]

  10. 鬼石発電所を翌年度以降の電力売却対象に掲載

    7水力発電所の一つとして公告されています。[9]

見学・アクセス情報

2026年10月1日調査。神水ダムはダムカード配布対象ですが、現行の群馬県「ダム堤体見学」対象一覧には掲載されていません。カード受取と内部見学を分け、見学可とは推測していません。[1][5]

ダムカード
配布中

2021年10月8日から配布再開と公式ページに記載されています。[1]

配布場所
藤岡市鬼石594-1 神水ダム管理所

ダムカードの現行配布場所です。[1]

配布日時
平日9:00~16:00

土日祝日・年末年始を除きます。[1]

配布枚数
来訪者1名につき1枚

管理作業で職員不在の場合があります。[1]

問い合わせ先
坂東発電事務所 027-231-1681

受付は平日9:00~16:00です。[1]

堤体内部見学
現行の県対象一覧には掲載なし

ダムカード対象には掲載。内部見学可能とは案内しません。[5]

遊漁上の禁漁区域
ダム上下流の指定区間

神水ダム上流左岸250m・右岸660m、下流100mが通年の採捕禁止区域です。[6]

放流時の注意
放流警告看板位置図を県が公開

現地の警告・管理者の指示に従う必要があります。[1]

見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。

下久保発電所の逆調整と鬼石発電所

群馬県企業局の現行説明

神水ダムは下久保発電所の逆調整ダムとして建設され、その責任放流水を鬼石発電所が発電に利用します。[3][4]

下久保発電所
15,000kW/12.0m³/s

1968年5月運転開始。[3][4]

神水ダム 有効貯水容量
200,000m³

逆調整に使われる貯水池の施設諸元。[1]

鬼石発電所
790kW/12.0m³/s

2002年2月運転開始。[3][4]

洪水吐設備と正式目的を分ける

神水ダムには洪水吐4門・起伏ゲート・設計洪水位がありますが、群馬県一覧の正式目的はPのみです。[1][2]

正式目的
P

発電。[2]

洪水吐
鋼製溢流型ローラーゲート4門

高さ3.30m×幅15.00m。[1]

流量調節
起伏ゲート1門

高さ4.30m×幅5.00m。[1]

設備の存在からF目的や洪水調節容量を推測していません。

鬼石発電所の発電形式表記の差

2025年更新の企業局発電所一覧表は鬼石発電所を「ダム水路式」、坂東発電事務所の個別説明は「ダム式発電所」と記載しています。[3][4]

同じ群馬県公式資料内の差なので、一方を誤記と断定せず両表記を残しています。

洪水吐ゲートの修繕と2026年度設計

2024年度には神水ダム洪水吐ゲート等修繕工事の契約実績があり、2026年度には洪水吐ゲート・管理橋の塗替え塗装設計が発注見通しに掲載されています。[7][8]

2024年度修繕工事
当初契約額32,100,000円

2024年8月23日契約。予定価格32,620,000円。[7]

2026年度設計業務
履行期間8か月・7月発注予定

洪水吐ゲート・管理橋の塗替え塗装に係る設計。[8]

2026年度分は発注見通しであり、完了実績ではありません。[8]

現在の県営電気事業での位置付け

鬼石発電所は2026年9月の電力売却公告で、2027年度以降の対象7水力発電所の一つに掲載されています。[9]

公告の目標売却電力量は7発電所合計であり、鬼石発電所単独の年間発電量ではありません。[9]

よくある質問

神水ダムは何のためのダムですか?

群馬県の正式目的はP(発電)のみです。下久保発電所の逆調整ダムとして建設され、神水ダムからの責任放流水は鬼石発電所でも利用されています。[1][2][3]

逆調整ダムとは何ですか?

上流発電所から変動して放流される水を一時的に受け、下流側の流量変動を緩和する役割を持つダムです。群馬県は神水ダムを下久保発電所の逆調整ダムと明記しています。[3]

洪水吐があるなら洪水調節ダムですか?

県の正式目的はPのみです。洪水吐4門や流量調節ゲートがあっても、それだけを根拠にF目的とはしていません。[1][2]

鬼石発電所の出力はどのくらいですか?

最大出力790kW、最大使用水量12.0m³/sで、2002年2月運転開始です。[3][4]

鬼石発電所はダム式ですか、ダム水路式ですか?

群馬県公式内で表記が異なります。2025年の発電所一覧表はダム水路式、坂東発電事務所の個別説明はダム式としています。[3][4]

2026年度も設備更新がありますか?

2026年4月1日時点の発注見通しに、洪水吐ゲートと管理橋の塗替え塗装設計が掲載されています。予定情報であり、完了済みとはしていません。[8]

ダムカードはどこでもらえますか?

神水ダム管理所で平日9:00~16:00に配布され、来訪者1名につき1枚です。管理作業で職員不在の場合があります。[1]

堤体内部を見学できますか?

群馬県の現行「ダム堤体見学」対象一覧には神水ダムが掲載されていません。カード配布対象ではありますが、内部見学可とは断定していません。[5]

神水ダムを理解するための要点

本ページでは、神水ダムを群馬県・藤岡市のダムとして記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。

記録上の所在地
群馬県藤岡市鬼石594-1(神水ダム管理所)
施設種別
ダム
年代・供用状況
1968年度完成/下久保発電所は1968年5月運転開始
形式・構造
重力式コンクリートダム
公表された貯水容量等
総貯水容量501,800m³/有効貯水容量200,000m³

ダム・貯水施設の目的と役割

ダム・貯水施設の目的は、治水、発電、農業用水、工業用水、上水道など施設によって異なります。用途を一律に上水道とせず、対象施設の目的・容量・管理者を出典で確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。

見学・現地確認について

掲載上の見学情報は「ダムカードは神水ダム管理所で平日9:00~16:00に配布。群馬県の現行「ダム堤体見学」対象一覧には神水ダムの掲載がないため、内部見学可とは案内しない」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。

掲載内容はページ末尾の出典・参考資料9件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。

所在地マップ

群馬県藤岡市鬼石594-1(神水ダム管理所)

地図を大きく見る ↗

地図は公開住所をもとに検索表示しています。施設の管理区域には立ち入らないでください。

地図検索:公開住所による地図検索 ↗

関連タグ

#現役施設#神水湖#神流川#重力式コンクリートダム#発電専用ダム#逆調整ダム#下久保発電所#鬼石発電所#群馬県企業局#ダムカード

年代・出典の扱いと現役施設を確認するときの注意はアーカイブの読み方・見学ガイドにまとめています。

関連する施設