多摩川から狭山湖まで原水を運ぶ地下導水系統
小作山口線導水路は、東京都水道局が管理する多摩川系の導水施設です。東京都の施設説明では、小作取水堰で取水した原水を左岸の沈砂池に通し、小作山口線導水路によって山口貯水池(狭山湖)へ送ると明記しています。取水堰・沈砂池・導水路・貯水池は一つの水の流れを構成しますが、物理的には別施設です。既存記事「小作取水堰」が取り上げる堰の本体ではなく、堰から山口貯水池への搬送区間を主題とします。[1][4]
起点は羽村市の小作取水堰左岸
東京都水道局の小作・羽村取水せき管理規程は、小作取水堰左岸の位置を羽村市羽西二丁目1579番地先、対岸を青梅市友田町二丁目787番地先と記します。導水路への入り口は堰上流の左岸にあり、取水口の前には流木やごみの侵入を防ぐスクリーンが設けられています。所在地の番地は取水堰の起点を示すもので、導水路の全延長が同一住所に収まるという意味ではありません。[1][2]
取水口、沈砂池、接合井、導水路ゲート
多摩川の水は取水口のスクリーンを経て沈砂池へ入り、砂を除去して導水路へ進みます。管理規程の施設一覧には、沈砂池の下流に接合井と「小作・山口線導水路ゲート」が記載されています。導水路ゲートはワイヤーロープ式鋼製ローラーゲート1門で、有効幅5.0m・有効高4.3m。別に傾斜角75度のスクリーン1門(幅5.0m、高さ5.676m)を備えます。これらは取水堰側の設備仕様で、山口貯水池まで全区間に同じゲートがあることを意味しません。[1][2]
41.798mは起点部の函渠長、路線全長ではない
管理規程の別表第1は「小作・山口線導水路」の項に鉄筋コンクリート造漸縮型函渠を記載し、最拡部幅5.0m・高さ5.016m、最縮部幅3.8m・高さ4.3m、延長41.798mとします。ただしこの表は小作取水堰の付属施設一覧であり、記載される41.798mは取水堰側の局所的な函渠長です。多摩川から山口貯水池までの路線全長とは一致せず、全線延長・全線内径・勾配は今回確認した東京都の一次資料では確定できません。[2]
22.77m³/秒は取水口の最大能力
東京都水道局は小作取水堰上流左岸の取水口について、最大取水能力を毎秒22.77立方メートルと公表しています。これは堰にある取水口の仕様値であって、小作山口線全線の設計流量や特定年度の実導水量を直接示すものではありません。道路から導水路内部までの具体的な配管・隧道形式や、全線の現行送水量は一次資料で確認できないため記載しません。[1][3]
山口貯水池へ入り、東村山・境浄水場の原水になる
導水された原水は山口貯水池に貯留されます。東京都水道局によると山口貯水池と村山貯水池は連絡管でつながって一体運用され、小作取水堰・羽村取水堰で取水した多摩川の水を蓄え、東村山浄水場と境浄水場へ導きます。山口貯水池の有効貯水量19,528,000m³は貯水池全体の容量であり、小作山口線導水路の貯水容量ではありません。また、羽村線系統から山口貯水池に入る水路と小作山口線とを混同しません。[4][5]
1970年代の水源対策と1980年の小作取水堰通水
東京都水道局は、小河内貯水池からの水が多摩川第1発電所で発電に利用された後、多摩川へ放流され、小作・羽村両取水堰で取水されると説明しています。これは小作山口線導水路の起点より上流の水の流れです。[8] 東京都水道局の「東京近代水道125年史」は、利根川水系の水源開発遅延等を背景とした第四次利根川系水道拡張緊急対策事業において、小河内貯水池施設の増強や第一村山線・小作山口線の新設を進め、利根川系と多摩川系の水源を補完する計画だったと説明します。小作取水堰は1980年7月完成、10月に通水しました。しかし、この堰の年月を導水路単体の竣工検査日と同一視する公式記録は確認できません。[1][6][7]
管理規程と遠隔制御・水質事故への対応
東京都の管理規程は小作・山口線導水路ゲートを原則全開に保つと定め、設備点検や漂流物除去などの管理事項を規定します。また東京都水道局の水道施設維持管理資料によれば、羽村取水管理事務所が小作取水堰のゲートを遠隔制御し、羽村取水堰とともに多摩川上流域の取水量を総合的に管理しています。この遠隔制御は堰ゲートの説明であり、導水路全線に遠隔制御機器が配置されていると推測しません。河川流量の変化や水質事故に備えた取水施設の管理が行われています。[2][3]
見学できる範囲と水質値
山口貯水池周辺には東京都の名所案内で散策対象とされる公開エリアがありますが、小作山口線導水路の内部や接合井・ゲートなどの管理設備の一般公開を示す公式案内は確認できません。散策可能な湖畔と、水道施設の管理区域は別です。本施設は浄水処理施設ではないため、完成した水道水の水質検査結果を導水路自体の水質実測値として掲載しません。[3][4]
Deep research
東京都水道局の取水堰公式説明、管理規程、維持管理資料、山口貯水池の案内を突き合わせ、原水導水経路・起点部設備・水源対策の歴史を整理。取水堰の取水能力と導水路全線の能力、局所的な函渠長と路線全長を区別します。
最終確認:2026-11-04
施設データを詳しく見る
- 管理主体
- 東京都水道局
- 起点
- 小作取水堰左岸
- 取水元
- 多摩川
- 導水先
- 山口貯水池(狭山湖)
- 取水口の最大能力
- 22.77m³/秒
- 堰側の漸縮型函渠
- 41.798m
- 堰側の導水路ゲート
- 1門
- 小作取水堰完成
- 1980年7月
- 小作取水堰通水
- 1980年10月
- 導水路全線の延長・公称能力
- 公式公開資料で確認できない
多摩川系の水源・導水施設
東京都羽村市羽西二丁目1579番地先
小作取水堰上流の取水口
東京都・埼玉県にまたがる水源池
小作取水堰の取水口仕様。導水路単独の最大流量ではない
管理規程の小作取水堰付帯区間。導水路全線長ではない
幅5.0m・高さ4.3m、鋼製ローラーゲート
導水路全線の竣工年月日ではない
導水路単独の通水開始日は不詳
堰側局所長と取水能力を代用しない
多摩川から小作山口線を経て狭山湖へ
- 1
多摩川水系の原水
小河内貯水池からの放流も流れる多摩川を水源とする。
- 2
小作取水堰で取水
羽村取水堰の約2km上流。左岸の取水口で原水を取り入れる。
- 3
スクリーンと沈砂池
取水障害となるごみを防ぎ、沈砂池で砂を除去する。
- 4
接合井・導水路ゲート
沈砂池下流の接合井と鋼製ローラーゲートを経て小作山口線へ入る。
- 5
小作山口線導水路
山口貯水池へ未浄化の原水を運ぶ。起点部函渠41.798mは全線長ではない。
- 6
山口貯水池に貯留
狭山湖に水を蓄え、村山貯水池との連絡管も含めて一体運用する。
- 7
浄水場へ
東村山・境浄水場へ原水が送られ、そこで処理された水が供給される。
小作山口線の整備背景と関連施設の年表
山口貯水池が完成
受水先の貯水池の完成年であり、小作山口線の竣工年ではない。
上流の小河内ダムが完成
小作取水堰より上流の多摩川水源施設の完成年。小作山口線導水路の竣工を示すものではない。
第四次利根川系水道拡張緊急対策事業の認可
東京都の水源補完策として小作取水堰・導水路等を位置付けた事業。
小作山口線の新設を計画
東京近代水道125年史の施設整備事業史に記載。単独の着工日は確認できない。
小作取水堰完成
東京都水道局の公式沿革による。
小作取水堰通水
堰の通水年月。導水路全線の個別竣工年月は不詳。
取水堰の管理規程を一部改正
平成27年の管理規程改正の施行日。水路全線改修の完成日ではない。
東京都水道局の施設維持管理資料の基準時点
多摩川系の水源施設管理、堰ゲートの遠隔制御を説明。
見学・アクセス情報
路線の多くは管理対象の導水施設です。一般に散策できる山口貯水池周辺と、水道施設内部への立入を区別してください。
- 起点
- 小作取水堰左岸(羽村市羽西二丁目)。川を挟んだ右岸は青梅市
- 導水先
- 山口貯水池(狭山湖)。都県境にまたがる貯水池
- 山口貯水池周辺
- 東京都が散策を案内する公開区域に限って利用
- 導水路内部
- 常設一般公開案内を確認できない。管理設備への自由立入不可
- 管理施設
- 小作取水堰の接合井・導水路ゲートについて見学公開条件は不詳
見学目的でも門・柵・管理区域を越えず、管理者が案内する公開条件と指定経路に従ってください。
原水の水質と導水路能力の区分
小作山口線は多摩川の原水を運ぶ設備であり、飲用水を完成させる浄水場ではありません。小作取水堰の最大取水能力22.77m³/秒、山口貯水池の有効貯水量19,528,000m³、取水堰側の漸縮型函渠41.798mはそれぞれ取水設備・貯水池・局所構造の別指標です。導水路全線の流量や水質測定値に置き換えません。[1][2][4]
よくある質問
小作山口線導水路は何のための施設ですか?
多摩川で取水した原水を、沈砂池を経て山口貯水池(狭山湖)へ送るための導水路です。
どこからどこまで水を運びますか?
東京都羽村市の小作取水堰側から、東京都・埼玉県境の山口貯水池まで原水を運びます。
小作取水堰と同じ施設ですか?
水の流れはつながりますが、取水堰は取入口、導水路はその後の搬送区間です。
いつ完成しましたか?
小作取水堰は1980年7月完成・10月通水ですが、導水路単体の正確な竣工年月日は公式公開資料で確認できません。
導水路は全長41.798mですか?
いいえ。管理規程の41.798mは小作取水堰側の漸縮型函渠の延長で、山口貯水池までの全線長ではありません。
最大で毎秒22.77m³を送りますか?
22.77m³/秒は小作取水堰の取水口最大能力です。導水路固有の設計流量や実導水量と同一視しません。
山口貯水池の水はどこへ行きますか?
村山貯水池との一体運用も含め、東村山浄水場と境浄水場へ原水が送られます。
現在も使われていますか?
東京都水道局の現行施設案内は小作山口線による山口貯水池への導水を説明しています。
内部を見学できますか?
導水路内部の常設一般公開案内は確認できません。山口貯水池周辺の公開区域と管理施設は別です。
小作山口線導水路を理解するための要点
本ページでは、小作山口線導水路を東京都・羽村市(小作取水堰側)の上水路・導水路として記録しています。以下は掲載資料から確認できる基本情報です。
- 記録上の所在地
- 起点:東京都羽村市羽西二丁目1579番地先(小作取水堰左岸。全区間の所在地ではない)/導水先:山口貯水池(狭山湖、東京都・埼玉県境)
- 施設種別
- 上水路・導水路
- 年代・供用状況
- 小作取水堰は1980年7月完成・同年10月通水。小作山口線導水路単独の竣工年月日は公式公開資料で確認できない
- 構造・形式
- 小作取水堰側の接合井に続く鉄筋コンクリート造漸縮型函渠(規程上の延長41.798m)、鋼製ローラーゲート1門、スクリーン1門。全線の構造・延長とは区別
- 能力・規模
- 導水路全線固有の公称能力は不詳。小作取水堰の取水口最大能力は22.77m³/秒(導水路単独の公称能力・実績値ではない)
施設の機能と地域での役割
水路・隧道・水路橋などは、水を運ぶ経路や関連設備です。用途は施設によって異なるため、上水道だけに限定せず、送水先や地域での役割を本文で確認してください。 この一般的な役割と、上記の調査本文に記載したこの施設固有の歴史・構造を分けてご覧ください。
見学・現地確認について
掲載上の見学情報は「導水路内部・関連管理施設の常設一般公開案内は確認できない。小作取水堰や山口貯水池周辺の公開エリアと管理区域は別扱い」です。公開日、受付方法、見学可能範囲は変更されることがあります。訪問前に管理者や自治体の最新案内を確認し、現地では指定された見学経路に従ってください。
掲載内容はページ末尾の出典・参考資料8件を基に整理しています。資料間で表記が異なる場合は、自治体・管理者の案内を優先してください。
所在地マップ
起点:東京都羽村市羽西二丁目1579番地先(小作取水堰左岸。全区間の所在地ではない)/導水先:山口貯水池(狭山湖、東京都・埼玉県境)
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地図は公開住所をもとに検索表示しています。施設の管理区域には立ち入らないでください。
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出典・参考資料
- 1東京都水道局「小作取水堰」(取水口・沈砂池から小作山口線を経て山口貯水池へ導水、取水堰完成・通水年月)↗本文に戻る ↑
- 2東京都水道局「小作取水せき及び羽村取水せき管理規程」(小作・山口線ゲートと取水堰付帯区間の規格)↗本文に戻る ↑
- 3東京都水道局「第2 水道施設の維持・管理」(令和7年3月末時点の水源施設・取水堰の管理)↗本文に戻る ↑
- 4東京都水道局「村山・山口貯水池(東京水道名所)」(原水の受入れと浄水場への流れ)↗本文に戻る ↑
- 5東京都水道局「水源施設」(山口貯水池の概要と所在地)↗本文に戻る ↑
- 6東京都水道局「東京近代水道125年史」第1章22頁(多摩川系と利根川系の連絡を目指した取水堰・導水路新設計画)↗本文に戻る ↑
- 7東京都水道局「東京近代水道125年史」資料編112頁(第四次利根川系水道拡張緊急対策事業の施設)↗本文に戻る ↑
- 8東京都水道局「小河内貯水池(奥多摩湖)」 (上流ダム放流、多摩川からの原水取水)↗本文に戻る ↑
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