建設の背景
盛岡市の近代水道は明治39年(1906年)に創設認可を受けたが、当初の施設では増加する人口に対応できなくなった。昭和初期、市は中津川支流・米内川を水源とする新浄水場の建設に着手し、1934年(昭和9年)に米内浄水場が完成した。設計には当時の最新技術である緩速ろ過方式が採用され、場内には管理棟・緩速ろ過池・沈殿池など複数の構造物が整備された。
施設の特徴
創設当時の緩速ろ過池をはじめとする石造・煉瓦造の構造物が良好な状態で残存しており、日本近代水道史を物語る建築群として高く評価されている。管理棟・旧取水塔・沈殿池護岸など複数の建造物が国登録有形文化財(建造物)に指定され、盛岡市の景観重要建造物にも選定されている。また、日本水道協会が選定する「近代水道百選」にも名を連ねる。
現在も緩速ろ過・急速ろ過の複合方式で日量32,450立方メートルを処理し、現役の浄水場として機能している点も特筆される。
現況と一般公開
毎春、場内に植えられた桜が満開を迎える時期に合わせて一般公開が行われており、盛岡市民の花見の名所としても親しまれている。明治・昭和期の水道施設が桜の木々の下に広がる景観は唯一無二であり、近代産業遺産と自然が共存する場として多くの見学者が訪れる。
注意事項:本掲載情報は記録・保存を目的とした参考資料です。現地への立入は必ず管理者の許可を得てください。非公開施設への無断立入は法律および条例に違反する場合があります。掲載情報に誤りがある場合はお問い合わせフォームよりご連絡ください。